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この日、春川の夢を見た。 三人で歩いてて、海に行った。 夕日を背にしながら春川は、俺たちの手を握らせる。 そして俺の髪をクシャクシャに乱した後。 「琥太郎を、よろしくな。…千都世。」 そう言って笑った。 久しぶりに会った春川は、当たり前だけど三年前と全く同じで、すごく懐かしくて…。 「言われなくても、わかってんだよ…バカ春川。」 堪えきれず、涙を流した。 そんな俺を困ったように笑いながら見るから、ゴシゴシと拭き取って、「じゃあな」って声をかけた。 「………ん、」 目が覚めると、その夢を鮮明に覚えていて。 「…っ、ふぇ……、」 「…こたろ、起きろ。」 泣きながら眠る琥太郎を起こした。 「…ハッ、…あ……?」 ポロポロと溢れる涙に驚きながら、俺を見る。 その涙にソッと触れて、優しく拭き取った。 「お前も会えたか、春川と。」 「………っ、うん…!」 琥太郎は、夢の中の春川を教えてくれた。 俺が見た春川とはまた違って、俺には俺への言葉、琥太郎には琥太郎への言葉を残してくれたようだ。 「よかったな。」 「うん!…ね、千都世…。」 「ん?」 「俺…、この先の人生を、千都世と過ごしていきたい、んだけど……。」 春川が夢に出たのは、これが最初で最後だった。 「…うん、俺も。」 これは、春川が死ぬまでのおはなし。 そして、 琥太郎がもう一度、幸せになるおはなし。 -千都世 of Love 2 : FIN-

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