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第68話
パンケーキファイトとデートの日
その3
無口になった安藤君。注文を取りに来たお店の人は青山さんじゃなかったことに少しホッとした。
安藤君無口になったのは、よくわからないけど多分僕の説明が足りない?そうなんだろう。
それでもなんとか注文をして、
「 あのさ、僕が夜にここに来たのは、お父さんの友だちに誘われたんだけど、それはね……」
気まずそうな顔で僕を見る安藤君
「 お父さんがきちんとその人に伝えずに講習会へ行っちゃったからなんだ 」
「 講習会? 」
「 教員対象の講習会、お父さんって少しは変わってて、携帯とか連絡とかに無頓着で、多分今回も充電忘れてるんだと思う。
だから連絡取れないからなんでか?って 」
「 そんなに仲の良い人なの? 」
「 うん、家族ぐるみというか、家族みたいと、言うか…ですね…」
歯切れの悪い僕の説明でもなんとなく納得してもらったみたい。
安藤君の機嫌が漸く浮上したようで、それぞれ頼んだ違うパンケーキを交換しながら話も弾んでいたその時。
後ろから派手に肩を叩かれた。誰?
背後に立っていたのは
え?橋下先生?
「 橋下が2人いる…… 」
と呟いた安藤君の目線の先には、
僕の肩を叩いた橋下先生と全く同じ顔の照さんが立っていた。
「 あれ?このあいだの子じゃないの?
後ろ姿がそっくりだから、
え?君は違う?」
後ろの橋下先生まで僕を覗き込むように見ている。
不味いー‼︎バレちゃまずい…
どうしよう〜〜
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