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第67話
パンケーキファイトとデートの日
その2
自分の邪な想像に驚いて、
すっかり逆上せてしまった顔が恥ずかしく俯いて歩いていると、
ふっと頰に手の平が。
顔を上げると、俯いた僕を覗き込んでる安藤君の口元が軽く緩んで、
「 着いたよ、どうしたの?顔があかい 」
「 な、なんでもない 」
と慌てて答え、力が入ってしまった僕の背中に手を触れて、
店に入ろうと促した。
引き戸を開けてちょうどよく冷やされた店内に入ると、
「 いらっしゃいませ 」
と、耳に残る声。
「 青山さん! 」
僕が声をかけると青山さんは嬉しそうに笑いながら、
「 僕は運がいいな、こんなに直ぐに又会えるとは 」
「 この間はご馳走様でした 」
「 いやいや、ご馳走したのは割井さんですから、あっそうか僕も曲を振る舞ったから かな?」
そうだった、何曲かサックス吹いてもらったんだ。
「 そうでしたね、楽しかった…青山さんも朝と夜と両方、大変ですね 」
「 たまたま、朝の人が足りない時は僕が自由が効くので入るんです 」
この人、本当に話しやすい。
「 夜?来たことあるの? 」
と安藤君が青山さんとの会話を遮り僕を見た。
なんか少し微妙な雰囲気。
それに気がついたのか青山さんが間を取るように、
「 モーニングだと中庭に面した窓際が良いですね 」
と言いながら明るい窓際のテーブルに案内してくれた。
座りながら、安藤君に先日の割井さんと来たこと、割井さんとの関係をなんて話そうかと思案していると。
「 いつ夜来たの? 」
と再度安藤君は不思議そうというより、少し咎めたような口調になった。
「 ヒロシさん、あ、父さんの友だちの人と夕飯食べに来たんだ 」
「 お父さんの友だち? さっきの割井さんて人?」
コクコクとうなずく僕。
「 安藤君夜来たことをある?
この間は演奏聞いちゃったんだ。
さっき案内してくれたあの人、青山さん、サックス吹いてるんだよ 」
「 ふうん 」
と、言ったきり会話が繋がんない。安藤君どうしたんだろう?
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