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第66話
パンケーキファイトとデートの日
その1
少しは進んでますが、閑話
明日から夏休みに入ろうという夜、
安藤君からラインが入った。
"明日から休みだね、
時間空いてる⁇"
ちょうど良かった、橋下先生の騒ぎで、朝も一緒に来れなかったし、授業終わったら安藤君はバイトで忙しいらしくて、この1週間くらい殆ど話しもできなかったから。
"大丈夫"とウインク兎のスタンプを押して、
と、うわぁスタンプだけ先に行っちゃった。
"朝、この間の荻窪駅で待ち合わせして、もう一回パンケーキ行かない⁇"
え?あの店に!この間割井さんと行ったばかりだけど。
"了解"
今度は文字送ってから、万歳兎のスタンプ押せた。
"じゃあ、8時に駅で
その後行きたいところもあるから付き合って"
はい!は兎と熊のハイタッチしてるスタンプだけで送った。
なかなか僕もラインが上手くなってきた。
この間はパンケーキモーニングの事姉貴に話したから、流星に伝わった。
今度は絶対に言わないぞ。
行きたいところってどこだろう?
明日着る服の用意をしながら、
そうだ!安藤君は足首の出るパンツをよく履いてるから、アンクレットプレゼントしよう……
急に思い立った僕はアンクレット作りに夢中になって出来上がったのは明け方近く。
ターコイズブルーの石を使い暗めの色のビーズで仕上げたそれは、安藤君の足首によく映えそう。
そのまま軽く一寝して、出来立てのアンクレットを持っていそいそと駅に向かう僕。
駅に着くと安藤君はもう待っててくれた。僕は思わず駆け寄ってしまった。
なんで、こんなに嬉しいのかな。話すの久しぶりだものね。
「 ごめん、待った? 」
「 大丈夫、俺も今着いたとこ
なんか朝から腹減った〜、行こう」
「 うん 」
安藤君が自然に僕の肩を引いてくれる。見上げる僕に首を傾けて
『うん?どうしたっ? 』
て目線で問うてくるのが本当にカッコいい。
肩が触れ合う距離で指が絡められそうな近さで連れ立って歩いてると周りの注目浴びちゃうけど、安藤君の目が僕を確りと見ていてくれるので思わず僕も見つめ返しちゃう。
え?思わず僕も見つめ返して……
その先はなに?こんなに人目の多いところで、
なにを期待してる?
一気に身体中が暑くなった。
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