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第65話

閑話 ちょっと怪しい助手小野さん その3 「 姉貴から今回新しい子1人入るんだけど、注意してやって、って言われてるんだ。小野さんは、言われてる? 」 「 いいや、まだそんなに話してないからさ、いつものように、会場抑えて、備品借りて、照明とかビデオ撮影とかやれば良いんだと思ってるけど? 」 「 そうなんだ、その新しい子、どこ経由でスカウトしたんだがわからなくて 」 「 なんで?心配? 」 「 そりゃそうだよ、俺の友達とか結構ネタにされたら困るやついるから、親がそれなりとかさ 」 「 ふーん 」 流星は意外と考えてんだな。て、あの撮影会にくる自体で諦めろっていうもんだけど。 「 何。笑ってんだよ 」 「 響子さんに直に聞けばいいじゃないの 」 響子さんに毎日電話をするほどシスコンの流星を知っているから、疑問に思って聞いてみた。 「 それがさ、姉貴もちょっと断りにくい人から頼まれたから、どんな子かはわからないとしか言わないんだよね 」 「 響子さんも普段は一応会社で仕事もしてるし、身元は間違いないの連れてくるんじゃないの? 」 「 それなら良いんだけど、俺の勘、当たるんだよな~ 」 それ以上の情報もないので、暫く黙って飲んでると、流星が言いにくそうに、 「 杏果は?あのさ、あの、安藤なんとかってのとベタベタしてないだろうなぁ 」 おっと、なるほど、気になるのはそっちかい。 なんで安藤のこと、知ってるのかね。 杏果ー響子ラインでか? 響子さんて杏果ちゃんの周りには目を光らせてるからな…。 「 安藤って、あの背の高いイケメンの奴? 」 最近よくくっついてるの見かけてるけど、まだまだそんな仲じゃなさそうだし、あれじゃ、キスもしたかしないかだな。 「 そう言えば、朝一緒に来たりしてたけど、ここんとこ何日か杏果ちゃん1人で来てるよな、喧嘩でもしたのかな? 」 と餌を振ってやると喜んで食いついて来た。 「 ふーん、へー 」 ニマニマしてるの気持ち悪いぞ、この野郎。 全く流星もわかりにくい愛情の出し方する奴なんだな。 会ったら虐めてる癖に、小学生かよ。 あれじゃ、中々杏果ちゃんに、気持ち通じないわな。 安藤君とこいつが争ってる間に、俺が杏果ちゃん掻っ攫うのか? なんか間で楽しくなりそうだわ。

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