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第64話
閑話 ちょっと怪しい助手小野さん
その2
7時少し過ぎたが慌てる気もなく、バールまで駅より5分ほどの道を行く。
赤錆を模した鉄製のドアを開けると、中には何人かのお客。
珍しいなこんな早い時間なのに……
馴染みのバーテンが、
目だけでカウンターの真ん中に陣取ってる流星に合図した。
流星の隣に座った俺に、
「 こんばんは、小野さん
今月は忙しかった?」
「 ああ、夏休み前は俺たちはてんてこ舞いだよ、ブラック中のブラックだからな、助手なんて」
笑いながら話すと隣の流が、
「 結構好きに時間が使えてそうじゃん」
と知ったようなことを言う。
「 お前さ、教授様によっては、手の掛かる人もあってだな 」
と言いながら、取り敢えずのビール、ではなく、スパークリングを注文した。
「 気障だね、一杯目はビールじゃないの?」
俺がビール苦手と何度言っても覚えてない流星に軽く笑いながら、
「 それで、撮影会の話って?」
余計な話は無しとばかりの俺の態度に少しムッときた様子だったけど流星は、
「 うん、撮影会なんだけどさ 」
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