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第98話

プールでデートは危険です その9 「ごめんね、心配かけて 」 「 ン!バカ!謝るなよ、お前はちっとも悪くない、ぜんぶあいつらが悪いんだよ!」 一気に怒りの声をあげた安藤くん。 こんなに怒ってるの初めて見たかもしれない。 僕のせいなんだ。 水着を着ようと立つのを助けてくれる安藤くんの手をさえぎった。まだ鎮まらないペニスを見られたくなくて、 「 1人で履くから 」 と後ろを向く。 先走りでベタベタしたペニスもまだ半分勃ち上がったまま。仕方なくビキニを履き、続けて汚れちゃうと思いながらも借りた水着を履いた。 それでも深呼吸をしたら、ようやく少し勃起も落ち着いてきた…… 安藤くんが苦しそうに 大丈夫?と聞くのはきっと僕が勃っちゃってたのに気がついてたからだろう……恥ずかしい、恥ずかしすぎると俯く僕の唇に、何回かついばむようにキスをして、僕の手を握りゆっくりとした歩調で救護室に向かった。 救護室では、赤くなった手首と擦りむいた腕や足を消毒してもらった。 大した怪我はしてないけど、恥ずかしい場所を悪戯された気持ち悪さとそんな淫交をやめさせることのできなかった自分への悔しさは残る。 3人の興奮した男の手で、ビキニを脱がされ、後ろから前から感じるところを探られ弄られた。しごかれて勃ったペニスを揶揄られその下のフクロやもっと隠したいお尻のアナにまで指を這わされ、それに抵抗できずにあえぎ声迄出しそうになったなんて。 彼らにされたことを一切喋らない僕に シーズワールドの警護の部長さんは、迷惑行為防止条例で訴えますか?と聞いてきた。男だし、それはダメだと断った。 そこまでしたら、僕のなけなしのプライドはズタボロになってしまう。 安藤くんは喧嘩でも3体1なら暴行なんだぞと言ってくれたけど、 喧嘩じゃない。 男とわかっていたずらした?どうして?もし女装してた時に襲われたら、どういうことになったんだろ?僕はただの変態扱い? 自己防衛のために 「 柔道とか空手とかやったほうがいいのかなぁ 」 と呟いたら、 「 道の資格を持った人が喧嘩をして下手して相手を怪我させたら、状況によっては相手に訴えられるよ 」 と救護室の担当医の先生にそうさとされた。 「 逃げる時間を稼ぐ護身術くらいにしときなさい 」 「 え? 」 「 大声を出す、身体を掴まれたりしたら力を抜いてかわす、後は逃げ足を早くしておく。男の急所くらいは狙えるくらいの知識は持とうね 」 話していないのに事情を察したらしい。にっこりとしながら優しく話してくれる先生。なぜだかさっき落ち込んだ自己嫌悪の気持ちも少し薄らいだ。

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