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第99話
プールでデートは危険です
その10
その後警備事務所の方に行き、
とにかく会社への報告はするので
と書類にサインをするよう促される。個人情報に関する説明を聞いて、
同じ内容の書類にお互いにサインをする。
施設側の人も警察に行くようには勧めてくれたのだけど、僕が頑固に行かないと頑張るものだから、書類にサインしたことで、そういってはなんだけど僕が成人した男だったこともあって、ややホッとした様子。
安藤くんは最後まで反対だったけど、ここはぼくの気持を通してもらった。
痴漢されたなんて(電車でもたまにあったけど)そんなことを他人に言いたくない。
防犯カメラで、3人の確認をしてほしいと言われたので、入口のカメラの録画を見たけど、3人の顔なんか覚えてないので全く役にはたたなかった。
そんなことをしてたらすっかり時間が経ってしまい、そのことを安藤くんに謝ると、
「 バカ!大変だったのにおれが付いていなかったから、
ごめん、ごめんな 」
と泣きそうになりながら謝られた。
「 謝んないで、結局さわられただけなんだから 」
「 大丈夫か?
それなら気分を変えて水族館の方にでも行ってみる?
これからはぜったいに離れないから 」
「 え?トイレも? 」
「 当たり前だ、一緒に行く 」
真面目にそんなことを言うので僕は笑ってしまった。
やっと、笑ったな
と安藤くんに肩を抱かれて僕もやっとホッとした。
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