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無意識に目を向けると、うちの学校の制服を着た生徒が男に言い寄られていた。 明らかに嫌がってる。 「何、あれ生徒?嫌がってる感じだな」 「やっぱそう思う?」 「助けなくていいの? せんせー笑笑」 「チッ。わかりましたー」 あーめんどくさい。 早くご飯食べたいのに。 「すみません。ハンカチ落ちましたよ」 とりあえず声をかけると真っ先に男が振り返った。 「え、落としてないですけど」 「あ、違います。彼が」 そういいながら生徒を見るとそいつは入学式で寝てた女みたいな奴だった。俺の意図を悟ったらしく、ありがとうございますと素直に受け取ってくれた。 「この先行き止まりですけど、何かあったんですか」 「いや、、、道を聞こうと思って…」 「どこを?よかったら案内しましょうか。俺ここ詳しいんで」 「あ、えっーと、もうわかったんで、大丈夫です」 そういいながらそいつはどっかに逃げていった。 「ハンカチ、返して」 「あ、助けてくださりありがとうございました。沖田先生」 「え、名前知ってんの」 「さすがに担任の名前くらいは」 「そっか。てかお前顔赤いぞ。熱でもあんじゃないの?」 そんなことないですよー。と笑って答えてはいるが実際フラフラしてるし。 「熱あんのに何でこんなとこいるんだよ」 「あー、クラスでカラオケ行こうってなって。入学早々一人だけ不参加はダメでしょ」 そういいながらも立ってることすら辛そうだ。 そんなだから危ない男に捕まるんだよ。 「送るよ、家まで。お前歩けないだろ」 「えー大丈夫ですよ」 いや大丈夫じゃねーよ。 「大丈夫じゃないでしょー」 「海!いつの間に着たんだよ」 「えーだってあまりにも遅いから」 「海、悪いけど俺今日こいつ送ってくよ。熱あるし」 「わかった。仕方ない。また今度食べに行こーね」 「悪いな、今度奢る。ほら、ここだとタクシー呼べないから。少し歩けるか」

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