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甘いひととき
「……ん」
「起きた?体辛くない?」
声を掛けられて、漸く目を開ける。
悠介の手が頬に触れて、優しくキスをされた。
「大丈夫?」
「……大丈夫」
「お風呂まだだから、もう少ししたら一緒に入ろうね。」
確かに、体が少しぺたぺたする気がする。
シーツもあちこちが色んな液体で汚れたまま。
「ごめん、あの……潮……」
「可愛かったよ。それだけ拭いておいた。やっぱりもうお風呂入る?準備は出来てるよ」
「入る」
そう言うとすぐに抱っこされてお風呂場に連れて行かれた。
髪と体を洗われて、ついでに頭のマッサージまでしてくれる。
「あー……気持ちいい……」
「よかった。腰痛くない?お風呂出たら腰もマッサージしようね」
「ん……ありがとう……」
そっと頭を撫でられて気持ちよさに目を閉じる。
「あ、ダメだよ。寝ちゃダメ。」
「うん……わかってる……」
「こら。キスしちゃうよ」
「ふふっ……してええよ。」
「……さっきの逆だね。やっぱり寝てもいいよ。いっぱいキスしておくからね」
そんな言い合いをして二人で笑って、幸せな時間を過ごした。
甘いひととき 了
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