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第163話*

 上と下を同時に攻められては、快感に弱いアクセルはひとたまりもない。 「ひ、い……兄上だめだ……! 俺また……!」 「イっちゃいそう?」  泣きながらこくこく頷いたら、兄が悪戯っぽく微笑んだ。 「でもお前はさっき軽くイってるしなぁ……。気持ちよくなってくれるのは嬉しいんだけど、お前ばかり何度もイくのは公平じゃないよね」 「で、でも兄上……あ、うっ……」 「そう言えば、この間はちょっと我慢することを覚えたでしょ? せっかくだから、今回は自分で我慢してみない?」 「えっ……?」  どういう意味かわからず、アクセルは目を丸くして兄を見た。すると兄はアクセルの中心に手を伸ばし、膨張した根本を強く握ってきた。 「いっ……! あ、兄上、それやだ……っ!」 「じゃあ自分で握ってなさい。そうすれば加減もわかるだろう?」 「は……? え?」 「自分で我慢するんだよ、アクセル」  言い聞かせるように、再度同じことを言う兄。  アクセルが戸惑っていると、細腰を抱きかかえられ、下から思いっきり突き上げられた。 「ひッ……あ! あっ、あっ、あああ!」  すんでのところで達しそうになり、慌てて根本を握り締める。  自分で触ってみてわかったが、既にそこは火傷しそうなほど熱くなり、膨張しすぎて刃物のように硬くなっていた。紐で縛られたり他人に握られるよりはいいが、自分で我慢するのもかなりしんどい。苦しい。 「うう……あ、兄上ぇ……」 「ふふ、ちょっと辛いかな? でも二回目は私も一緒にいきたいし。今度は二人で一緒に……ね?」 「あう……」  ズキン、と身体の芯が疼いた。それでまたイきそうになり、アクセルはより強く根本を握り締めた。  ――本当に兄上はいつもずるい……。  そんなこと言われたら、こちらは我慢するしかなくなる。一緒にいきたいというのはアクセルも同じだ。  アクセルは空いている腕を兄の背中に回し、肩にもたれかかりながらすすり泣いた。

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