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第278話*(リバ注意)

「っ――!」  声にならない悲鳴を上げ、兄が顎を跳ね上げて後ろに仰け反った。同時に自分の欲望も中で弾け、ありったけの遺伝子を腹の奥に注ぎ込む。 「っ……っ……」  焦点の定まっていなかった兄の目が、ようやくハッキリしてくる。こちらを見つめてうっとりと笑みをこぼし、繋がったまま唇を吸ってきた。 「ああ……やっぱり、お前の遺伝子が一番いいよ……。すごく心地いい……」 「俺も……兄上が相手なら、何度でも出せそうだ……」 「ふふ、エッチだなぁ……。食事する前からお腹いっぱいになっちゃうじゃない」 「……食後に交合(まぐわ)った方がよかったか」 「いや、どっちでもいいよ……。私にとっては、どちらも素晴らしい御馳走だからね」  そう言われて、また胸がキュンと高鳴った。この兄は快感に意識が薄れていても、こういう台詞を当たり前のように吐ける。  いや、本人にとっては当たり前だからこそ、考えることなく口にできるのかもしれないが……。  そろそろ自分自身を抜こうと腰を引いたら、兄が少しだけ口を尖らせた。 「え……もう終わり?」 「終わりって……兄上も身体がキツいだろう?」 「全然。せっかくだからもっとしたいな」 「……いや、しかし立ちっぱなしというのはさすがに……」 「じゃあ床に寝かせてよ。お前が動くの億劫だっていうなら、私が上に乗ってあげるから」 「乗るって……」 「ああ、お前はまだやったことなかったっけ……騎乗位」  騎乗位……と言われて、数秒頭がフリーズした。聞いたこともなければ経験したこともなかったからだ。  ――騎乗位……って、騎乗している状態ってことか……?  乗馬くらいはさすがにやったことがあるが、それに似た体位ってどういうことだ? お馬さんごっこでもやれというのか? 単純な後ろから……というわけではなさそうだし、どういう体位なのかよくわからない。  アクセルが首を捻っていると、兄が肩に手を置いてこちらを床に寝かせてきた。はずみでちゅぽん、と楔が抜けてしまった。  そのまま弟を仰向けに寝かせつつ、兄が中心に跨ってくる。

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