920 / 2296
第920話*
「だからお前には感謝してるんだ。本当に、心から、いてくれてよかったと思ってる。多少手がかかることもあったけど、それもまた励みになった。……ていうか、何度もそう言ってるじゃない? お前がいなかったら私は今ここにいないって」
「それはそうなんだが……」
もちろん、兄から何度となくそう言われたのは忘れていない。一人ぼっちで孤独だった兄にとって、弟は唯一気を許せる家族だった。弟ができたからこそ、兄は普通のお兄ちゃんらしく振る舞えるようになった。
そういう意味では、アクセルは兄の隣にいるだけで一〇〇点満点なんだろうが……。
「とはいえ、やっぱりふとした拍子に申し訳ないと思うこともあるんだ……。俺は兄上に迷惑かけるだけで、これといったことは何もしてあげられていないんじゃないかと……」
「そうかな。私はいてくれるだけで嬉しいけど、それだけじゃお前は満足できないのか」
「いてくれるだけじゃ、ペットや人形と変わらないじゃないか。俺はもういい年齢の大人だ。兄上のために何かしたくなることもあるんだよ」
「ふーん……?」
すると兄は口角を上げて首をかしげた。何かを企んでいるような顔だった。ちょっと嫌な予感がする……。
「……じゃあお前、私に快感を与えてくれるかい?」
「えっ……?」
次の瞬間、食事用のテーブルに押し倒された。仰向けに転がされ、起きようとした途端真上からのしかかられて、身動きがとれなくなる。
「こ、ここでやるのか? というか、今そういう流れだった!?」
「いいじゃないか。最近ご無沙汰だったしさ」
「ご無沙汰ってほどでは……」
「まあまあ。せっかくだから楽しもうよ。断る理由もないでしょ」
「それは……でも、あっ……!」
いきなり服の中に手を突っ込まれ、敏感な乳首を爪で弾かれる。びくんと肩が大きく跳ね、瞬く間にそこから快感が広がっていった。
兄に開発されまくった身体はすぐさま反応を示し、胸の突起はピンと尖って下半身も大きく膨らみ始めた。
ともだちにシェアしよう!

