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第938話*

「あ……兄上……」  せめてゆっくりして……と目で訴えたが、わかっているのかいないのか、兄は一気に最奥を貫いてきた。 「っ……ああぁん!」  案の定堪え切れず、切っ先が奥に当たった途端熱いものを噴き上げてしまう。  腰が跳ね、頭が反り返り、肘に力が入らなくなって、がくんとテーブルに倒れ込んだ。 「っ、っ……うぅ……」 「ふふ、可愛い顔。イった直後の呆けてる顔見るの、大好きなんだよね」 「は……あ……」 「もちろん、イく直前の苦悶めいた顔も、イっている最中の吹っ飛んだ顔も大好き。何度で繰り返し見ても飽きないんだ」 「っ……」  なるほど、だから何度もイかされる羽目になるのか。一度こういう流れになるとなかなか解放されないのは、兄がこちらの顔を見て楽しんでいるからか。自分は何度もイかされているのに、兄は回数的にさほど多くないのはそういう理由だったのか。ようやく理解できた。  ――でも、だからってこれ以上イかされたら身がもたないぞ……。  既に何回も達しているのだ。この上更にイかされても、もう何も出てこない。今達した時も、精液がだいぶ薄くなっていた。  正直、そろそろ終わって欲しいのだが……。 「んっ、あっ……ああっ、あ」  ぐったりしている身体を押さえ付けられ、腰を掴まれて奥を突かれてしまう。  達したばかりの身体に刺激を加えられるのも苦しいし、それでまた際限なく感じてしまうのも辛かった。出してから一分も経っていないのに、もう排泄感が高まって膀胱がパンパンに膨らんでいる感覚がする。 「うっ、う……兄上、だめ……漏れちゃ……!」 「ああ、そういえば潮吹きに関してはまだちゃんと教えたことなかったっけ。まあお前は後ろの刺激だけでもイけるからね、今更って感じもするけど」 「っ、な……なに、言ってん……」 「いや、こっちの話。とにかくお前は、細かいことは気にせず好きなだけ吹くといいよ。すっごく気持ちいいからさ」 「ひ、ぃ……! いや、いやだ……やめてぇ……っ!」  追い討ちをかけるように、兄が陰茎を扱いてくる。

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