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第937話*

「あっ、あっ! ああっ!」 「うん……やっぱりお前、お尻を弄られるのが一番好きなんだね。他の場所を触った時よりいい反応してるよ」 「んっ、くっ……! ふあ、あぁ……ん!」 「口でイかせてもらおうかと思ったけど、お前を見てたら気が変わっちゃった」 「はっ……あ?」  ずるりと指を引き抜き、兄が身体を起こす。そしてアクセルの脚側に移動し、だらんとテーブルの縁から垂れている両脚を抱え上げた。  さすがにぎょっとして、アクセルは肘で半身を起こして兄を見上げた。 「ちょ、兄上……! まさか今挿れるつもりじゃ……!」 「そりゃそうだよ。それ以外に何をするの?」 「だ、だってこの状況で挿れられたら俺……」 「すぐイっちゃいそう? いいよ、いくらでもイって。私もいっぱい出すからさ」 「っ……!?」 「じゃ、挿れちゃうね」  鼻歌でも歌いそうな勢いで、上機嫌のまま欲望を擦りつけてくる。  そのまま緩んだ窄まりにぐぐっ……と押し当てられ、ほとんど抵抗なく先端を挿れられてしまった。 「あっ……あっ……」  ぞわわっ……と一気に鳥肌が広がっていく。こんな状態で奥まで挿れられたら、またあっけなくイってしまいそうだ。  慌てて自分自身に手を伸ばし、根本を握って堰き止めようとしたが、体液でぬるぬる滑って上手く掴めない。おまけに兄に見咎められ、手首を掴まれてそこから引き剥がされてしまった。 「おや、そんなに我慢したいの? せっかく紐を解いてあげたのに、またさっきの状態に戻りたいのかい?」 「……っ!」 「縛ったってすぐに音を上げちゃうんだから、おとなしく本能のまま振る舞った方がいいよ。お前がイく時の顔、また私に見せて欲しいな」 「うっ……!」  ずずっ……と、少しずつ奥への圧迫感が強まっていく。無意識に腹の中が蠢いて、歓迎するようにひくひく収縮した。  どんなに戸惑ってみせても身体は兄の欲望を待ち望んでおり、臍の下まで深々と貫かれることを期待しているようだった。

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