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第984話*
そんな状況でも完全に兄を拒否することはできず、むしろ身体は大喜びで欲望を受け入れていた。細胞のひとつひとつが歓喜に湧き、頭のてっぺんから爪先まで、甘い快楽に支配される。
「ああ……んっ! あっ、あっ……あぁ……!」
「ふふ……お前、とっても色っぽい顔してる。声もエロくて最高にいい。中もすごく熱くなって、私にきゅうきゅう吸い付いて来るよ」
「っ……」
「お前は一体どこまでエロくなるのかなぁ……楽しみだなぁ」
そんなことを悦に入った表情で言ってくるので、アクセルはちょっと意地になってしまった。
弟をこんな身体にしたのは兄なのに、この言い方ではアクセルが自発的にエロくなったみたいではないか。回を重ねる度に淫らになっていくと思われるのもシャクだし、少しは平気なフリをしてやりたい。そうでないと、この兄はどんどん図に乗ってくる。
そう思い、アクセルは硬く唇を引き結んだ。その上で片手の甲を唇に押し当て、一生懸命淫らな声を出さないよう我慢する。
「んっ、んっ……うう、ん……ッ」
「ありゃ、まだ声我慢できる余裕があるの? それとも今更恥ずかしくなっちゃった?」
「んッ……く! ん、んっ……ふんン……ッ!」
「でも、そうやって我慢しようとするところも大好きだよ。どんなにエロくなっても、清楚さを保とうと頑張ってるところ、すっごくそそられる。……そういうことするから、どこまでもいじめたくなっちゃうんだよね」
「っ……!?」
兄は少し身体を起こすと、風呂場に引っ掛けてあったフェイスタオルを取った。それを横に細くくるくるねじり、一本のロープのようにする。
その瞬間、何をするつもりか思い至り、アクセルは慌てて半身を起こした。
「ま、待ってくれ兄上、それは……んぐっ!」
そんなことで止まる兄ではなく、呆気なく口にタオルを噛まされ、猿ぐつわのように後ろで結ばれてしまう。
自力で解こうとしたが、今度は両腕をバスタオルで縛られ、蛇口に括りつけられてしまった。
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