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第986話*
首を振って「もうムリ」と訴えたが、兄はまだまだ元気なようで、三回目にもかかわらずあっと言う間に欲望が硬くなってきた。「中にいるだけで気持ちいい」という言葉に嘘はないみたいだが、だからと言って際限なく欲望を向けられてはこちらの身がもたない。
――うう……苦し……。このままじゃ……。
生理的な欲求がこみ上げてきて、アクセルはごくりと喉を鳴らした。
前はもちろんだが、出された熱が後ろに溜まって排泄感が増していく。今は兄の欲望で塞がれているからいいが、これが出て行ったら一緒に白濁を漏らしてしまう気がした。そんな醜態は晒せない。
「うぅ、う……く……っ」
ぽろりと涙をこぼしつつ、アクセルは兄を見上げた。
二回なら……二回なら何とか我慢するから、三回目は外に出して欲しい。兄の欲望なら全部受け入れてあげたいが、そんなにたくさんのものは自分の腹に入らない。
「ありゃ、どうしたの? お腹いっぱいで苦しい?」
「んっ、んっ……」
「そっか。まあ、お前は私と違って少食だもんね。時々、燃費がよくて羨ましくなるよ」
そうではなく、単に兄が旺盛なだけだと思う。食欲も、性欲も。
「でも、そんなこと言われたら、私だけ常に欲求不満になっちゃうんだよなぁ……」
「ッ!?」
止めてくれるのかと思いきや、ガシッと細腰を掴まれてアクセルは目を見開いた。弟が苦しがって泣いているのに、この兄はまだやる気満々なのか!? 絶倫にも程があるぞ!
心の中でそう怒鳴っていると、兄はやたら真面目な顔つきでこんなことを言ってきた。
「もちろん私は、お前の限界ギリギリを見極めてやってるつもりだよ。だけど、毎回すぐに音を上げられたらやりたいこともできなくなっちゃう。というか、これだけいっぱい鍛錬してるのに未だに体力がもたないのは、ちょっとおかしくないかな」
「っ、う……うぅ、ん……」
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