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第1098話*

 ――ああ、だめだ……こんなの、耐えられる気がしない……。  頭ではだめだと言い続けているのに、挿れられた途端、自分自身が元気よく反応してしまう。さんざん開発された身体は兄からの刺激に滅法弱く、いつでもどこでも兄を受け入れられるよう変化してしまったみたいだ。  今はなんとか耐えているが、これで腰を動かされたらあっという間に達してしまいそうだ。  というか、今自分に挿れている兄が本物の兄である保証はない。もしかしたら偽物かもしれない。それなのに、こんなに感じてしまっていいんだろうか。仮に彼が偽物だったら、本物の兄を裏切っていることにならないだろうか……。 「あ、にうえ……」  頼むからもうやめてくれ、と懇願する前に、両腕を押さえていた別の兄が羨ましそうに言った。 「いいなあ、そんなに気持ちいいんだ? 私も早く挿れたいなぁ」 「待ちきれないよ、早くして」 「そう急かさないでよ。言われなくても、気持ちよすぎて勝手に腰動いちゃうって」 「ああっ!」  中に食い込んでいた兄が、パン、と強く腰を叩きつけてきた。  そのまま何度も腰を打ち付けられ、腹の底をガンガン突き上げられる。 「あっ! あっ! ああっ!」 「ああ、どうしよう……気持ちよすぎて際限なくなりそう……」 「やめ……兄上、待っ……あぁん!」 「中の気持ちよさもそうだけど、いい声で鳴いてくれるところも本当に最高……!」 「う、んッ……! んく……ふっ、うぅ」  奥を突かれる度に、切っ先がいいところに当たってぞくぞくっと快感が広がっていく。官能的な熱も中心に溜まっていき、いつ弾けてもおかしくないくらいに昂っていた。  感じている場合じゃないのに……やめさせなきゃいけないのに……身体が言うことを聞かない……。 「あっ……あああっ……!」  どくん、と兄が大きく脈打ち、腹の奥に夥しい量の欲望を注ぎ込まれた。  同時に自分までイきそうになり、すんでのところで何とか堪える。いつもの調子で危うく出しそうになったものの、こんなわけのわからない状況で達するわけにはいかない。

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