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第1100話*

 自分自身も当たり前のように熱を溜め込み、既にはちきれんばかりに膨らんでいる。先端からじわじわ粘液を漏らし、股間をぐっしょり濡らしていた。  ――これじゃ……こんなんじゃ、出された瞬間イっちゃう……!  生理現象を抑えることはできないけど、だからといって自分まで一緒に盛り上がるわけにはいかない。  そもそも自分は、兄の様子を探りに来たのだ。  ミューと一緒に汚い隠し通路を通って、あちこち汚れて怪我をして、怪しい施設を歩き回ってようやく兄に会えたと思った。それなのに、その兄は本物かどうかわからない。  混乱した頭のまま、三人の兄にあれよあれよと組み敷かれ、全裸にされてぐちゃぐちゃに犯される始末。  施設内で一体何が行われたのか、誰が本物の兄なのか、どうして増える羽目になったのか……そういうことをきちんと説明してもらわなければヴァルハラに帰れない。  だから、これ以上快楽に溺れるわけにはいかないのだ……。 「うっ……!」  どくん、と体内の兄が大きく脈動する。  気配を察し、アクセルは震える手で自分自身を握り締めた。根本を圧迫し、兄につられてイってしまわないよう(こら)える体制に入る。 「ありゃ。お前、なんでそんなに我慢したいの? 焦らしプレイ好きだったっけ?」 「いつもと場所が違うから遠慮してるのかな。そういうところも可愛いけどね」 「でもお前、そこまで堪え性ないでしょ。せっかくだから、どこまで我慢できるか試してみようか」 「あっ……!」  挿入している兄がこちらに身体を倒し、より深いところをぐっぐっと突き上げてくる。  直腸の曲がり角に先端が当たり、そこからぶわあっと甘い痺れが広がっていった。 「うっ、あっ……うぅ、んッ!」  ぞくぞくしたものが背筋を駆け上がってくる。  快感に身を任せたくなるのを何とか抑え、アクセルはごくりと唾を飲み込んだ。 「っ――っ!」  どぷ、と兄が中で弾ける。一度目と大差ない量の欲望を注ぎ込まれ、早くもお腹がいっぱいになってきた。

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