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第1422話

 それから二週間ほど経過し、いよいよトーナメントの初戦が始まった。  始まったと言っても一日に行える死合い数は決まっているので、実際にアクセルが死合をするのは二日後である。  それまでは自分の鍛錬をしたり、相手のことを調べたりするつもりだった。  ――確か相手はショーンだったよな。どこかで聞いたことがある気もするんだが……。  なかなか思い出せないまま、アクセルはまず訓練場に足を運んだ。  隣のスタジアムで死合いが行われているので、訓練場自体はいつもより空いている。人が少ないせいか、槍投げや弓矢の練習をしている人もいた。基本的に飛び道具は、人が少ない時でないと練習できないのだ。 「おっ、アクセルじゃん。今日はこっちで鍛錬するの?」  弓矢の的の前に立っていた人物が、親しげに声をかけてきた。同期の友人・チェイニーだった。 「ああ、チェイニーか。きみが鍛錬しているのは珍しいな」 「いや……さすがのオレもたまには練習くらいするって。ランクを上げるつもりはないけど、下げるつもりもないんでね」  などと言いながら、チェイニーが持っていた小型ナイフを的に投げつける。シュッ、シュッ、と素早い動きで三本ほど一気に投げ、全て的に命中させていた。しかも全部真ん中の赤い丸に突き刺さっている。  そのテクニックに、感動して思わず拍手してしまった。 「すごいな……。チェイニーって、ナイフを投げるタイプだったのか」 「いやぁ、この他にもいろいろあるよ。今日はたまたまナイフの練習してるだけさ」 「いろいろか……。俺は弓矢とかは苦手だから、いろいろ扱えるのは羨ましいよ」 「一つの武器に特化しているのも、それはそれでいいことだと思うね。まんべんなく習得しようとするより、そっちの方が早く強くなりそうだしさ」 「そうかもしれないな。……ところでチェイニー、ショーンって人を知らないか?」

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