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第1467話*

 急にそんなことを言われ、アクセルははてと兄を見上げた。  ――わざと、って何のことだ……?  意味がわからないでいると、兄はやや呆れたようにこう言った。 「せっかく休んでるのに、こんなにぎゅうぎゅう締め付けてちゃ意味ないじゃない。私を煽ってるの?」 「えっ……!? そ、そんな……! 俺は何もしてないぞ……」 「じゃあ無意識に締め付けてたってことか。だとしたら、お前も相当いやらしいね」 「っ……!」 「まあ、そこが可愛いんだけど。無意識に反応しちゃうところとか、いじめられるのが好きなところとか、典型的なMって感じ。私と相性ぴったりだね」 「え、あ……ちょっ……!」  一度ずるりと楔を引き抜かれ、今度はうつ伏せに身体を押さえ込まれる。  何をするのかと思っていたら、力の抜けた両腕をとられ、背中に回された挙句、長めのタオルで縛られてしまった。  両腕の自由が利かなくなり、アクセルはぎょっとして首を捻った。 「あ、兄上、なんでこんな……」 「いやぁ、たまにはバックでやるのもいいかなって。正面とは違う角度で当たるから、また違った気持ちよさが味わえるよ」 「だからって縛る必要ないだろ……!」 「それは私の趣味。ほら、私Sだから」 「っ!?」 「じゃ、挿れちゃうね」  背中を揺らしてもがいていると、ぴたりと窄まりに先端を当てられ、腰を掴まれて一気に奥まで貫かれた。 「ぅんんん――ッ!」  その衝撃に耐え切れず、がくんと腰が砕けて頭の中も真っ白になる。  ぜぇぜぇと荒く息を吐き、肩からぶるぶる身体を震わせて、朦朧とした意識の中で思った。  ――もう、これで何回目なんだ……。  先程からイきっぱなしで、既に回数は数えられなくなっている。  それでは辛いから休んでいたのに、「煽ってる」とか言われて拘束までされるなんて……もう嫌な予感しかしない。  兄のことだから、もっと別のところを拘束したり、変ないじめ方をしてくるんじゃないだろうか。そんなことされたら本当に失神してしまいそうだ。

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