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第1579話

 ――まったく兄上は……。  溜息をつきつつ、アクセルはテーブルに朝食を並べた。  ピピにもハチミツをかけたヨーグルトとトーストを出してやり、三人で食事をした。  兄は「昨日の夕飯の残り」などと言ってシチューを温め直して食べていたけれど、アクセルはそこまで食べられないので遠慮した。この兄は性欲だけでなく食欲も旺盛だ。  朝食の皿を片づけ、次の死合い相手を確認するべく世界樹(ユグドラシル)の前まで行ってみる。  トーナメント表を見てみたら、やはり次の第三死合いの相手はチェイニーになっていた。どうやら昨日の死合いには勝てたみたいだ。  ――チェイニー……どんな風に戦うんだろう……。  同期でずっと仲良くしているものの、よくよく考えたら彼自身については知らないことが多い。  困った時はいろんな情報を提供してもらっているけれど、チェイニー自身の情報はイマイチ流れてこないという謎な側面がある。彼が普段何の武器を使っているのかすら、アクセルは知らないのだ。  せめて武器くらいは確かめておこうと思い、チェイニーを捜すことにした。  月間のスケジュール表を確認したら今日は郵便当番になっていたので、先回りして家の前で待っていることにした。  昼前になって、チェイニーが郵便物を届けにやってきた。 「あれ、アクセルじゃん。なんかお待ちかねの手紙でもあった?」 「いや、チェイニーを捜していたんだ」 「え、マジで? また何か知りたいことでもあるの?」 「そうだな、チェイニーのことを知りたい」 「は、オレですか」  チェイニーは片方の眉を上げ、腰に手を当てた。  アクセルは言った。 「今更なんだが、俺チェイニーのことあまり知らないことに気付いたんだ。きみがどういう武器を扱うかとか、どんな戦い方をするかも知らない。昨日の死合いも観戦したかったんだが、その……ちょっと諸事情で見に行けなくなってしまって。だからトーナメントが始まる前に、いろいろ話を聞いておこうと思ったんだ」 「ふーん……?」

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