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第1847話*

「うぅんん……ッ!」  一気に最奥まで貫かれ、全身に甘い痺れがぶわあっと広がっていく。  鼻にかかった嬌声を上げ、綺麗に背中を反らし、爪先までピンと引き攣らせた。 「ふふ……本当にいい反応だね。正面から抱かれるの、そんなに気持ちいい?」  こくこくと小さく頷いてみせる。  バックもいいけど、やはり正面から挿入されるのが一番気持ちいい。一番いい角度で好きな箇所に当たるし、大好きな兄に抱かれていることを強く実感できる。兄の綺麗な顔が目の前に見えて、より幸せな気持ちになれる。  欲望にまみれた姿を隠せないのは恥ずかしいけど、隠したところで全て暴かれてしまうので今更だ。  アクセルは両腕を伸ばし、一生懸命兄の背にしがみついた。両脚もなるべく大きく広げ、兄の腰に絡めてぐっと引き寄せてやる。  それでまた中の兄が大きくなったが、その苦しみすら今のアクセルには快感だった。 「好き……兄上、好き……大好き……んっ!」 「ああもう、ホントに可愛い……。もう絶対誰にも――ヴァルキリーにだって、絶対渡さないからね……」 「んうっ……!」  下腹部を突かれながら唇を塞がれ、アクセルも積極的に応えた。  頭のてっぺんから爪先まで快感に染まり、身体の芯まで熱く溶けて、自分と兄との境界線が曖昧になってきた。好きな人とひとつになるというのは、こういう感覚なのかと改めて実感した。 「ああ、あ、あにう……イっ……ああああっ!」 「っ……」  びくん、と大きく全身が跳ね、視界が真っ白に染まる。  リングで堰き止められていることを忘れるくらいの絶頂感に襲われ、がくがく痙攣しながら後ろだけで昇り詰めた。  同時に腹の中がじんわり熱くなり、より一層圧迫感が増していく。兄の遺伝子をたっぷり注ぎ込まれ、下腹部が膨らんでいくような錯覚を覚えた。 「はぁ……」  名残惜しそうに、兄がずるりと腰を引いて行く。ちゅぽん、と湿った音を立てて欲望が中から出て行った。

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