「あらら……これはアウトだね。残念だけどお仕置きコースかな」 　そんな声が聞こえてきて、サー……ッと血の気が引いてくる。 「そ、そんな……。だって兄上が急に目隠ししてくるから……」 「はい、つべこべ言わない。立てなかったのは事実なんだからね。だいたい『目隠しが悪い』って言うけど、お前死合い中に目潰しされたらどうするの？　その時もこんな風にグラグラになっちゃうわけ？」 「それは……」 「お前は確かに強くなったけど、鍛え足りない部分も多いってことさ。そういう意味では、伸びしろがあって喜ばしいけどね」 　そう言われると反論できない。 　自分が未熟なのは事実だし、鍛え足りない部分があるのもわかっている。 　――でも、だからってこんな意地悪しなくてもいいじゃないか……。 　ちょっと恨めしく思いつつ、目隠しのタオルを外そうとする。 　だがその手を兄に取られ、後ろに回されて背中で押さえつけられてしまった。 　そのまま就寝着を強引に脱がされ、袖だけ残して両腕をまとめられてしまう。 「ちょ、ちょっと……！　ここまでするか！？」 「だって、お仕置き中に暴れられたら困るもん。服が絡まってるだけだから、痛くないでしょ？」 「痛くなくても不自由なのは困るんだけど……！」 「そりゃ、ある程度はね。一応お仕置きだし」 「そんな……！　兄上、いい加減に……うわっ！」 　反論しようとした途端、ひょいと身体を横に抱き上げられ、ベッドに連れていかれてしまう。 　兄のベッドに仰向けに放り投げられ、間髪入れずするりとズボンを剥ぎ取られた。下着も脚から抜き取られ、あっという間に下半身を剥き出しにされてしまう。 「ひうッ！？」 　股間のスカスカ具合に怯えていたら、不意に陰部の根本に強烈な疼痛が走った。 　直接見ることは叶わなかったが、感覚的に紐か何かで拘束されたのだとわかった。これでは出したくても出せない。 「ああ、そんな……兄上、ひどい……」 　生理的な痛みに震えながら、ぐすんと涙をこぼす。