アクセルの制止も虚しく、根元を戒めていた紐を解かれてしまう。 　その上で促すように肉幹を扱かれ、目の前でバチバチと火花が散った。 「っ――っ！」 　声にならない悲鳴を上げ、アクセルは溜まりに溜まった熱を一気に噴き上げた。我慢し続けていた快感が次から次へと排出され、ぶるぶる太ももが震えてしまう。 　生理的な反応だから自分の意志で止めることもできず、襲い来る快感の大波に呑まれて沈んでしまった。 「アクセル？　ねえ、大丈夫？　しっかりするんだよ」 「……ハッ！？」 　ぴたぴたと頬を叩かれ、ようやく我に返った。どうやらイった瞬間、少しばかり気を失っていたようだ。 　どうにか意識を取り戻し、霞んだ目で兄を見上げると、兄はこちらを労うように隣に寝そべってきた。 「そういやお前、セックスの時は後ろでイくのが当たり前になってるよね？　ここ、自分では触らないの？」 「え……」 「お前かなり敏感な身体してるし、死合い中にアドレナリンも溜まるし、ふとした拍子に反応しちゃうこともあるんじゃない？　そういう時はどうしてるの？」 「っ……！」 　陰茎を掴まれて軽く扱かれ、再び芯を作らされてしまう。 　何度もイかされまくった後でまた勃起させられるのは辛くて、アクセルはぶんぶんと首を横に振った。 「ちょ、ちょっと……兄上、もう触らないで……」 「あらら、もう辛くなっちゃったの？　せっかく解いてあげたのに、これじゃつまらないな。お前、鍛錬して体力アップしたんじゃなかったっけ？」 「そ、れとこれとは、違うから……」 「そうかい？　でも私はまだ一回しか出してないし、まだまだ夜は長いからね。少し時間を置いたらまた続きをやろうか」 　それを聞いて、ぞくっと背筋に寒気が走った。 　確かに兄が一回で終わってくれたことなんてないけれど、付き合うこちらにだって「気力・体力」というものがあるのだ。またイかされまくって気絶……なんてことにはなりたくない。 　というか、何で兄はそんなに体力が保つのだろう。何度出しても萎えないし、抱いてくる力も衰えない。そこに関しては本当に永遠の謎だ。