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第1924話

「お待たせ。次入っていいよ」 「うわっ!」  急に風呂上がりの兄がキッチンに入ってきて、アクセルはびっくりして飛び上がってしまった。  濡れた金髪をタオルで拭きながら、冷やしておいたレモン水をグラスに注いでいる。  ボディーソープとシャンプーの爽やかな香りが、より一層色気を掻きたてた。  ああ、触りたい……兄の香りに包まれながら、思いっきり愛されたい……。 「……お前、どうしたの? なんかヘンな顔してない?」 「ハッ!?」  そう声をかけられ、我に返った。  いやらしい考えを頭から振り払うべく、ぶんぶんと首を振る。 「い、いや、何でもないんだ! 風呂入ってくる!」  アクセルは逃げるように脱衣所に飛び込んだ。急いで服を脱ぎ、浴室に閉じこもってシャワーを浴びる。  ……が、思った通りアクセルの下半身はやや反応しかかっていた。  まだ完全に熱を持っているわけではないが、肌がじわじわ火照ってくるのは感じている。  ――う、ヤバイ……どうしよう……。  ここで中途半端に触ったりしたら、余計に収集がつかなくて大変なことになってしまう。アクセルは自慰が下手だから、兄に触ってもらわない限り、解消することはできない。  どうにか押さえ込むしかないが、一体どうすればいいのだろう。何か違うことをしていたら気が紛れるだろうか……?  ひとまずシャワーのお湯を水に変えて、頭から勢いよく浴びてみた。  温かいお湯から一気に温度を下げたせいか、必要以上に冷たく感じた。 「うう……寒い……」  奥歯がカチカチと音を立てる。  それでも我慢して水を浴び続けていると、 「えっ!? あ、兄上!?」  突然浴室の扉が開き、兄が様子を見に来た。  驚愕のあまり、下半身を隠すのも忘れてしまった。 「ああやっぱり。道理でヘンだなと思ったんだ。お前、反応してたんだね」 「あっ……ち、違うんだ、これは……」  言い訳するよりも先に、兄も裸になって浴室に入って来た。  そしてこちらの肩を掴むやいなや、その冷たさに目を丸くした。

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