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4-75 なんでも。

「……ん?なんて?」 タコのミイラに夢中になっていたらしいヨコは、ハッとしたようにこちらへと顔を向けた。 ナナメはにこにこしながらも彼に抱き付いた。 「ごめん…聞いてなかった…」 「なんでもないですよーだ」 ヨコは不思議そうに見つめてくるけど、好きにさせてくれている。 「ヨコさんを好きになってよかった」 好きになんてなってはいけないって思ってたけど やっぱり、そうして良かったと今はすごく思えている。 それはまるで、奇跡みたいに。 「俺の台詞なんですけど?」 「ふふ。そういえばヨコさん…なんでもするって言ってくれましたよね?」 「んー?まぁ…そうだな」 ヨコは抱きしめ返すように腕を回して、額をくっつけるように顔を近付けてくれる。 ナナメは彼の頬を撫でながら、微笑みを浮かべた。 「俺ね…ちゅーしてほしいです」 小声で呟くとヨコは変な顔をして、ちゅ、と軽く口付けてくれた。 「これでいい?」 「んー…まだ足りないかもぉ…」 くすくす笑いながら、彼にキスを強請った。 優しく頭を撫でるように、口を塞がれて、ナナメはぎゅうっと彼を抱きしめた。 ここに居られて、よかった。 彼の腕の中が、まるで自分の居場所みたいに思えた。 だってそこに、いつまでも居座ってしまうものだから。 Next…

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