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第3話

そんなある日、コウジは中学受験に行く際、母の車の中から、たまたまアキラを見かける。 アキラは徒歩で小さなビルの1階にあるスポーツ店に入っていった。 「アキラ?…BOUSスポーツ?」 スポーツ店に買い物? 何のスポーツもしてないアキラ… それどころか学校でも体育は見学している位なのに… そのアキラとミスマッチな現場を見て意外に思うコウジ。 しかし本人にそのことを聞こうにも、視線すら合わせないほど険悪な状態のため聞くことは出来ない… けれど、どうしても気になったコウジ… 好奇心から… 次の日曜日に…アキラのあとを気づかれないように追って行く。 電車を乗り継いでやってきた場所… 「やっぱり…」 アキラはやはりBOUSスポーツに入って行った… (いったい何を買う気だろう…) そう思いながら店の入り口を見つめる。 「……」 しかしふと思ってしまう。 なにやってんだろ僕… アキラのことなんかほっておけばいいのに… でも、なんだか最近のアキラの様子… 気になって… そんなことは知らず、アキラはいつものようにBOUSの門をくぐる… 「お疲れ様です」 1階の店番をしている青年に挨拶する。 「いらっしゃい」 笑顔で返してくれる撮影助手。 そのカウンターを横切り、奥へ入っていく。 ICカードを使い、仕切られた秘密の、その場所へ… アキラからサクヤへと変わる。 「サクちゃん、おはよー」 「おはようございます」 すれ違う撮影助手に淡白に挨拶しながら、ミーティングルームを目指す。 部屋に入ると撮影助手が1人、そして今日の相手役が1人待っている。 もう2年通う場所… また、淡白に挨拶してその中へと足を踏み入れていく… 台本を手にとってため息をつくサクヤ… 撮影内容… 最初のうちは服を脱がされ、キスされるだけの撮影が主だったけれど… 最近は…相手役との肌の接触が多い内容の撮影が増えてきた… まだ本番アリ(挿入)の撮影はないけれど、この間は指を挿入されたから… 近いうちに本番アリの撮影も入ってくるはず… 本心を言えば…怖いけど… ここで働いていくと決めたからには、毅然とやり通してみせる。 弱い自分に負けたくない意地もあり、そう強く思うサクヤ… ミーティングが済み、リハも終わり、次は本番撮影。 相手役の性優は休憩の度に馴れ馴れしく触れてくる。 肩を抱き寄せたり、頭を撫で、キスしたり… 最初は慣れなかったけど、ここの先輩は、みんなスキンシップをはかってくるのでだいぶ慣れてきた… 大事にされているような錯覚にも陥るこの感覚も嫌いじゃないから… いつも流されている。 「はい、じゃ行くよ!本番スタート!」 今日の監督がスタートの合図をかける。 「可愛いよ」 相手役は、囁きながらサクヤのスポーティーな服を脱がしていき、素肌をさらすサクヤの身体にいやらしく指を這わせて、キスを落とす…

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