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第5話
「ありがとうございます」
二人は挨拶して、アキラは相手役から少し離れる。
撮影終了の合図とともに騒がしくなる撮影ルーム。
2人もとりあえず控え室に移動する。
アキラは一刻も早くシャワーを浴びに行きたかったが…
相手役がなかなか離してくれない…
「サクヤはフェラ苦手?」
「…はい」
俯きながらポツリと答える。
「もっと巧くならないと、これから困るぞ、まだ若いからNGにならなかったけど、そのうち難しい役回ってきたらそうはいかないからな」
そうサクヤの肩を抱きながら教えるように言う相手役。
「…はい」
俯いたままそれにも答える。
「いつでも俺が教えてやるぜ」
そう耳元で囁く相手役…
ついでにキスしてくる。
「……」
サクヤは抵抗したかったが、それもできないでいる…
そこへ…
不意に声をかけてくる影…
撮影助手兼性優のルキ先輩だ…
「サクちゃん」
優しく呼ばれる。
「はい」
サクヤはルキの方に向き直り、静かに答える。
「こっちきて」
「はい…ありがとうございました」
一応、相手役に挨拶してルキについて行く。
誘い損ねて舌打ちをする相手役だが…逃げる口実が出来てサクヤはホッとする。
ルキとサクヤは別の控え室に入り、撮影予定表と説明書きの書かれたファイルを渡される。
「来月くらいから本番アリ撮影入ると思うからそのつもりでね、撮影前日にこの下剤飲んでお腹綺麗にしてきてね」
撮影の予定表を見せながら話すルキ。
「はい…」
本番アリ…いつかは来ること…覚悟はしてたけど…
「あとは、本番アリ撮影も、受け手の撮影前準備はいままでと変わらないから、いつも通り準備していてね」
「はい…」
ファイルを見つめたまま短く頷く。
「最初のうちは、怪我しちゃうかもだけど、驚かないようにね、そのうち慣れるから」
優しくなだめるように言うルキだが…
「……」
改めて言われると…やはり身体が硬くなってしまうサクヤ…
「大丈夫だよ」
そっと肩に触れ、また優しくなだめるルキ。
ルキは受け手役ばかりしている性優…
そのルキに言われたら…
「…はい」
なんとか頷いてルキを見る。
「じゃ、頑張ってね、わからないことがあればいつでも聞いてね」
「はい…」
優しいルキに挨拶して、サクヤは身体を流すためシャワー室へと向かう。
本番アリ…
2年前…入会時レイプ撮影以来になる。
あの時のことを思い出すと…恐怖で身体が強張る…
けど…
この仕事、続けていくことを選んだのはオレ自身だから…
これは仕事…
アレをケツに入れるだけ、口よりマシだから…
大丈夫…全然平気!
シャワーを浴びながら、そう言い聞かせ、小さい身体を奮い立たせるのだった。
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