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第11話
さらに一時間後が経った…
アキラはふと意識を取り戻す。
「アキラ…」
すぐそばにいたコウジ…名前を呼ぶ。
「コウジ…」
アキラも気づいて呼び返す…
「大丈夫?」
そう心配するコウジに…
「……」
アキラは何も答えられない…
「携帯…BOUSからかかってきてた…」
不意に気になっていたことをアキラに告げてみる。
「…ッ、出たのか!?」
それを聞いて、驚いてベッドから起き上がるアキラ…
「だって、ずっと鳴ってたから…」
少し俯いて答えるコウジ…
「ッ…何を話したんだ!?」
アキラは真剣な目で問い詰める。
「……、来週撮影に来いって…来れないときは事前に連絡しろって…罰撮影になるから…って」
コウジは言われた通りのことを伝える。
「っ…」
アキラは言葉が出なくなる。
「あの店なに?撮影って?」
コウジはやはり知りたくて問い詰めるが…
「忘れろ!」
アキラははっきりとした言葉でそれをはねのける。
「え?」
「今日のこと全部忘れろって言ってんだよ!」
かなりの迫力で言い切るアキラ…
「な…アキラ?」
驚くコウジだが…
「もう帰れ…」
アキラは顔を背け、そう命令する。
「帰れないよ…アキラ、撮影ってなに?いったいアキラ何してるの!?」
コウジは、知りたい気持ちでいっぱいになるが…
「お前には関係ないだろ…」
依然、きつい口調で拒否し、答えようとしない。
「関係、ないけど…知りたいんだよ」
コウジもこんな中途半端な状態では帰れず踏みとどまるが…
「うるさい、お前はもう二度とあの店に近付くな!」
アキラは命令するばかり…
「なんで!?」
だんだん腹が立ってきて、すぐに言い返す。
「教えてよ!BOUSって…アキラはあそこで何してるの!?」
「……」
「教えてくれなきゃ、あの店の人に聞く!」
コウジは勢いで言ってしまうが…
「馬鹿!!」
立ち上がり、大声で怒鳴るアキラ…
「アキラ…」
その鬼気迫った雰囲気に言葉が続かなくなる。
「あそこには二度と近付くな!」
さらにアキラはコウジへ言いつけるが…
「っ…なんで」
まだ引かないコウジを見て…
「ッ、じゃ…教えてやるよ!」
アキラは急にコウジの胸ぐらを掴むと…
そのまま顔を近づけ、いきなりキスをする。
「ッ…!?」
突然のことで驚いてしまい固まってしまうが…
「やッなにす…」
ガッと腕でアキラを思い切り突き飛ばしてしまうコウジ…
「ッ…」
アキラは簡単に床に倒れる。
「あ、…アキラ」
はっとしてアキラに駆け寄るコウジ…
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