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第12話

「……撮影、あそこは男とこういうことして…それを売ってる会社なんだ…」 俯いて話し出すアキラ… 「え…」 「お前は…オレみたいになりたいのか!?」 コウジの瞳を真剣な眼差しで見て言い切るアキラ… 「…アキラ」 アキラの言っていることがすぐに理解できなくて… 名前を呼ぶのが精一杯なコウジ… 「あの店には二度と近付くな…オレにも…」 一瞬、俯いて…悲しそうな瞳を見せるアキラ… 「……」 「行けよ!オレに関わるな!」 しかし再び、キツい視線を向けて怒鳴るアキラ… 「……っ」 混乱して、言いたいことは沢山あるのに… 言葉が全然出てこなかった… ショックが大きすぎて… 逃げるように病室を後にするコウジ… コウジは自宅の自室に帰って布団に寝ころびながら… 今日の出来事を思う… アキラが隠してること…知りたくて、アキラの後をつけた… そうしたら… アキラが倒れて…急に苦しみだして… あの店は… 撮影… 男と…キス? それって…アキラが身体を売るようなことしてるってこと? アキラがそんなことをしているなんて…信じられない… なんで? 意味わからない… 自分の兄がそんなことをしている… そんなの絶対許せない… アキラが退院して帰ってきた日、コウジは我慢ならなくてアキラを説得に行く。 「アキラ…あの店やめた方がいいよ…」 唐突に切り出すコウジ… 「……」 アキラは無視… 「自分の身体…売ってるんでしょ?」 それでもコウジは続けて話す。 「そんなこと…やめなよ」 「……お前には関係ないだろ」 また、突き放す言葉を口にするアキラ… 「関係なくなんかない!」 コウジははっきりと答える。 「コウジ…」 驚くアキラ… 「だって、アキラは僕の…たった一人の兄貴だもん…」 コウジは胸の中でくすぶっていた思いを伝える。 「そんなこと…してほしくないよ」 アキラにやめてほしい… 「……オレにはこういう生き方しかできない…」 コウジの言葉にしばらく答えられないアキラだったが… やはりコウジ望んだ答えではなかった。 「お前とは違うんだ」 アキラは強く言う。 コウジとは違う… 同じクラスの生徒とも… 同い年の誰とも違う… 「アキラ…」 コウジは悲しくなるが… 「オレには未来がないから…」 アキラはぽつりと零す… 「え…どういう意味?」 未来がない… その意味がコウジにはわからない。 「……もう、オレに関わるな…」 そう俯いて顔を背けるアキラ… 「……」 その背中を無言で見つめる… いつも独りきりのアキラ… 弟の僕でさえ…近づけないのかな…?

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