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初めてのHalloween ①

康介と修斗さんが大喧嘩する数日前の話…… 「それ、着るの?」 康介が僕を憐れみの目で見ている。僕の手には二種類の衣装。周さんにこれのどちらかを着てくるように言われていた。 今夜はD-ASCHが出るライブハウスのハロウィンイベントがある。仮装をして来ればドリンクが無料。そしてコンテストもあって、ベストコスチューム賞だかなんだかを取ると豪華景品が貰えるらしい。出演するバンドのメンバーは勿論、客も殆どが気合の入った仮装をして来るからお前も着てこいと言われ、周さんにこの衣装を渡された。 康介は文化祭の時に着ていたホストの衣装を着ていくみたいで、少し顔にペイントをして準備万端。僕はというと、どちらも選びきれずに迷っていた。 僕の衣装は囚人服。なぜかミニスカ。足首に装着する鎖のついた鉄球風なプラ製の球。定番の白黒のボーダーワンピース。透け感のあるニーハイソックスと帽子付き。 もう一着も同じく囚人服。こちらはフロントジッパーのオレンジ色のつなぎだ。でも長ズボンのタイプじゃなくショートパンツタイプ…… 僕のサイズぴったりな編み上げブーツまである。どちらにしても女の子が着たらセクシーで可愛いなって思われる衣装だった。 「周さん、こういうのどこで手に入れるんだろうな? これ、女の子用と思いきや、ちゃんと男が着られるサイズなんだよな……凄えな。スケベだよね」 康介が変なところを感心している。全くもう、恥ずかしいったらない…… どっちにしろエッチな衣装。そうそう、女の子みたいに見えるウィッグもちゃんと入ってる。 「これね、周さんとペアなんだって」 僕がそう言うと、康介はブハッと吹き出して笑った。 「周さんがポリスマンの衣装なんだな! 用意周到だな!」 楽しそうな康介を横目に、僕はどちらにしようか真剣に考えていた。

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