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康介の誕生日⑨

「修斗さん……ダメ? 気持ちいいんだよ、これだって…… 」 知ってるよ…… 流石に使ったことはないけどさ。康介がこんなのに興味を持ってしまったことが問題なんだよ。 「やだ……んっ、康介の方がいい……」 四つん這いにさせられた俺は、尻の方で指を抜き挿ししながらそのバイブで腰回りを撫で回す康介に向かって断固拒否する。 康介のことだから、絶対どんどんエスカレートしてく自信がある……気持ちがいいことは嫌いじゃないけど、度が過ぎるのはダメだ。こうなってしまった康介は、絶対俺が「やめろ」と言ってもやめてくれるわけがない。それにこんな事で自分じゃなくなっちゃうのが怖いんだ。 「ねぇ……ちょっとだけでもいいから修斗さんのここに挿れてみたいです。修斗さん……感じやすいからさ、絶対反応可愛いと思うんだよなあ。見てえな〜、滅茶苦茶に乱れてる修斗さん……やりてえなぁ」 「やだやだ! あっん……あっ……早く……康介のチンコちょうだい……」 挿れてもいいか俺に聞きながら、既に先っぽを俺の尻にあてがってグイグイと押し付けている康介に恐怖した俺は、後ろを振り向き上目遣いで康介を煽ってみた。こんな風にダイレクトにおねだりでもすりゃ、喜んで諦めてくれるだろうと踏んだんだけど…… 「あぁぁ!……ひぁっ!……康介ばかっ!……やっ……あっ……んんっ…んっ……んっ!」 思いっきり奥まで突っ込んできやがった。 振動がもろにぶち当たる。圧迫感と、いつもとはまた違う快感に急激に襲われた。 四つん這いになっている足ががくがくと震えてくる。今までにないくらい奥に押し付けられている快感に吐精感に似た違和感を感じ、案の定俺は怖くなってしまった。 「康介! 待って! やめて……あっ……あ、なんか……変! ……やっ……ひぁっ 」 四つん這いの姿勢を支えきれずに枕に突っ伏し、尻だけ上がった状態で体がビクビクということを聞かずに痙攣を始める。尿意に似た感覚にゾッとし、少し我慢するように力を込めるとまたゾワっと妙な快感が湧き上がってきた。 「やべ……修斗さん、凄い反応……」 後ろでは興奮した様子の康介が俺の尻を揉みながらその尻にキスをしている。 「やん……あっ……あぁっ、あぁ…… 出ちゃう……あっ……やっ……怖い」 「大丈夫だよ、修斗さん……そんなに凄い?……ビクビクしてる 」 大丈夫じゃない! 「やっ……あっ……あっ! ねぇっ……やだ! んっ……んんん……んっ 」 「どう?……ねぇ修斗さん……気持ちいい? ねぇ……イっちゃいそう?」 体が変に痙攣するし康介がうるさいし……マジで嫌だ。 でも気持ちいい…… 「ひぁっ!……あぁ 」 突然康介の手が前にまわり、唐突に俺の先っぽにヌルッと触れた。 「修斗さんっ! これ……トコロテンってやつ? ねぇねぇ……とろっと出てきた!……どんな感じ? 修斗さんっ、イったの? ねえイっちゃった?」 「………… 」 ……うるさい。どんなも何も、わかんねえよ! 俺の痴態に満足したのか、ずるりとバイブを抜いた康介は俺を抱えて仰向けにさせ、足を持ち上げいきり勃つ康介自身をまた俺に当てがう。 「ふぁ……修斗さん……まだ痙攣してる…… 」 嬉しそうにヒクつく俺の内腿をひと撫でし、ぐぐっと康介は押し入ってくる。 もう体が思うように動かない。 「……や……康介……もう……やだ……」 「大丈夫、修斗さん……んっ……可愛い」 何が大丈夫なんだか。康介は貪るように俺にキスをしながらゆっくりと奥まで侵入させてくる。 「んっ、気持ちい……修斗さん……中、うねってる。ふぁっ……あっ……ぐちゅぐちゅだよ、めっちゃ気持ちいい……ああ……やべえ」 徐々に激しく、康介は思うがままに腰を打ち付けてくる。 俺は呼吸もままならなかった。 激しく抜き挿ししている康介に、両手を手錠で塞がれた俺は自分の拳に口を当て、ただただ襲ってくる快感の波に耐える事しかできなかった。 そのまま康介が俺の中で抜かずに二回も達し、俺は全身疲労で動く気にもなれず、また康介に全身キスをされまくってる。 もうやられるがまま…… 「修斗さんっ、またトコロテンしてたんだよ! 気づいてた? 俺がね、ズンズン突いたらトロトロって出てくんの。もうね、修斗さん喘ぎ方色っぽいし堪んないっ!……ねぇ、聞いてます?」 「………… 」 「あとね、ビクビクし始めたらね、修斗さんの首筋からブワァって赤くなって……肌がピンク色に染まってくのが凄え綺麗で…… 」 俺が夢中で喋る康介の事を睨んだら、ハッと我に帰った康介がギュッと抱きつく。 「ごめんっ、修斗さん!……やっぱり俺……やり過ぎた?」 「……やり過ぎだろ。手錠、早く外して」 ……声までガラガラする。どんだけ喘いだらこんなに声が枯れるんだよ。 でもシュンと項垂れてる康介が可愛くて、頭を抱き寄せキスをした。 「でも凄え気持ちよかったよ」 嬉しそうにもじもじする康介を見つめながら「康介の好きなように」なんて二度と口にしないよう気をつけようって俺は心に誓った。 ── 康介の誕生日 終わり ──

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