クチクチと卑猥な音をたて康介の指が俺の中で蠢いている。 目隠しをされ後ろ手に拘束までされ、康介にいいようにされてるのは屈辱的なのに……それでもどうしようもなく感じてしまって勝手に女みたいに声が漏れてしまっていた。 時折またブブブ……と小さな振動音とともに体のいろんなところをそれで弄られるのも、怖いくらいに腰が疼く。 俺は本当にどうにかなってしまいそうで怖かった。 「もう……や、あっ……康介、ねぇ……んんっ……イきそう、やっ……あぁ……んっ……」 拘束されている手首が、横になっている自分の重みで痛くなってきた。康介は俺が喘げば喘ぐほど、興奮しきりで夢中で弄る。その声も息遣いも全身に纏わりついてくるように快感に変わり、俺は為す術もなく吐精感に襲われた。 「……んっ！」 とうとう堪えきれず、俺は康介の口の中で盛大にイッてしまう。 少しの沈黙の後、康介が俺の首筋に顔を埋めた。 「修斗さん……凄いいっぱい出た。興奮しました？ 」 「ちょっ……まって……あ…… やだっ！ それやっ……んん……んっ……ふぅっ…… 」 休む間も無く今度は振動している妙なものを俺の尻にあてがい、康介はそれを緩々と押し付けてくる。 勘弁してくれ……もうおかしくなりそう。 「やだ……入んない……から、そんなの挿れないで……あぁぁ……あっ……康介！ 康介の……挿れて。 康介の顔……ちゃんと見たい…… お願い康介……やだよ……」 これ以上康介の顔が見れないのは嫌だ。得体の知れないもので快感を与えられるのももう嫌だ。 早く康介の顔が見たい…… 「……っ！ 修斗さんっ！」 突然康介にぎゅうぎゅうと抱きしめられ、乱暴に目隠しを外された。 急に飛び込んでくる部屋の明るさに思わずギュッと目を瞑る。 「修斗さんっ！ 好き好きっ……！」 康介がアホみたいに俺の顔中キスをしてくる。 相変わらず両手が塞がったままだから、そんな康介に俺はされるがまま。 ぺろぺろぺろぺろ……って犬かよ！ キスなんだか、舐め回されてんだか、康介に食われそうな勢いだった。 「あ？……修斗さんごめん、泣いちゃった？」 ふと康介は手に持っていた涙で濡れたネクタイを見てそう言った。 「………… 」 自然に出てしまった涙であって、断じて泣いていたわけじゃない。 ちょっと気持ちよすぎて怖かったってのもあったけどさ…… 「は？ 泣いてねえし……てかそれ！ 何だよ、そんなのAVでしか見たことねえよ。マジか……びっくりだよ！」 ネクタイと一緒に康介の手にあるブルブルと振動して蠢いているそれに気が付き、俺は動揺を隠すことができなかった。所謂「アナルバイブ」とかいうやつ。しかも結構デカいしテラテラと黒く光って蠢いている様が猛烈に卑猥で泣きたくなってくる。こいつ、俺の尻にこんなの突っ込もうとしてたのかよ…… 視界が開けた俺は、康介の変態暴走を咎めようとしていたのに、逆に康介に睨まれてしまった。 「ちょっとAVって？ 修斗さんそんなの見るんですか？ あれ？……それって女の？ それとも男の方？」 ……は？ そこ怒るところ？ いや、どっちも見たことあるけどさ。そんな事どうだっていい。 「別に普通に康介だって見んだろ。はい、その話はもういいから……俺はそういう道具みたいなの嫌だからさ、早く康介ので気持ちよくしてよ……」 ムスッとした康介が、ちょっと乱暴に唇を重ねてくる。 「……あと手も解いて」 「いやです」 康介は隠すことなく不貞腐れた顔をして俺を睨む。散々なことしてくれたのはそっちじゃんか。不貞腐れるのは俺の方じゃね？ 「じゃあ、せめてさ、前で手錠してくんね？ 大好きな康介のこと、俺も抱きしめたいのに後ろ手にされてたんじゃ、なんもできないじゃん？ 俺だって康介の事ギュってしたい……」 そう言ったら嬉しそうに鼻を膨らませて手錠をかけ直してくれた。 ……こういうところ、単純で可愛い。 結局かけ直した手錠は外してはもらえずに、俺は康介のやりたいようにされてしまった。