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不思議なXmas⑧/もう大丈夫

圭ちゃんからのキス…… いつの間にか俺の体は元の大きさになっていた。俺の体が大きくなったことに何も疑問に思わず、俺も圭ちゃんも以前のように抱きしめ合う。これまで会えなかった分、確かめ合うようにいつまでもキスを交わした。 圭ちゃんの頬を濡らす涙も優しくキスで拭ってやると、圭ちゃんはクスッと俺を見て笑った。 「陽介……体、元に戻ってる」 「うん、そうみたい。ねぇ、抱いていい?」 圭ちゃんの両手に自分の両手を重ね、指を絡める。 そのまままた唇を重ね、ゆっくりと舌を絡め合った。 「やばい……すげぇドキドキする」 圭ちゃんの体に手を這わせながら、その存在に胸が高鳴る。 「本当に圭ちゃんだよね? 俺、幸せ……もう離さないから。別れるなんて無理だから……」 圭ちゃんの体のラインを確かめるように首から胸、腰や太もも……手を滑らせ弄っていると、すぐに甘い吐息が頬にかかった。 「陽介……くすぐったいってば」 クスクス笑って圭ちゃんが下から俺に抱きつく。 お返しとばかりに俺の耳を軽く食みながら「焦らさないで早く触って」と、囁いた。 なんだかドキドキしてしまって、まるで初めて圭ちゃんとセックスした時のように緊張する。 さっきまであんなにキスしたい、抱きたいって思っていたのに。 「……ごめん、触られたらすぐイッちゃいそう」 そう言ったら、圭ちゃんに笑われた。 「イッちゃダメだよ、我慢して」 圭ちゃんのと一緒にそっとそこを握りこまれ、ゆっくりと上下に扱かれる…… 「あぁ……やば……気持ちいい」 「ふふ……陽介が俺のこと抱きたいって言ったんだろ? 俺の事も気持ち良くしてよ……」 積極的な圭ちゃんにおされながら、俺はまた優しくキスをした。 「陽介……あっ、陽介……ん……あぁ……あっ 」 圭ちゃんが俺を感じて、そして俺の名前を呼んでいる。 圭ちゃんと別れてから、一人圭ちゃんのことを待つと決めた日から、こうやって圭ちゃんと抱き合うこと……本当にまた会えるのかも正直不安でしょうがなかった。 ……でも諦めきれるわけがない。 夢でもいい。 今ここで、この腕の中で俺のことを求めてくれる愛しい人の温かいぬくもりは本物。俺が素直に告白したら、頑固な圭ちゃんもちゃんと応えてくれた。 待っててくれる人がいる。 自分の元に必ず帰ってきてくれる。 お互いの思いがあればきっと頑張れる── 「圭ちゃん……愛してる。ずっと待ってる、いっぱいキスして……」 泣きながら俺にしがみつきキスをする圭ちゃんをきつく抱きしめ、気がついたら俺は眠ってしまっていた。 兄貴── ねえ、大丈夫? 目を開けると、覗き込むようにして弟の康介が俺を見ていた。 「……? 」 「兄貴……大丈夫?」 俺の部屋。 夢? 「……康介、何でお前泣いてんだ?」 俺を見おろす康介は何故だかポロポロと涙を零して泣いていた。 「何だよ! だって……だって兄貴、めっちゃ泣きながら寝てるし、どんどん涙は溢れてくるし、いくら呼んでも起きねえから……心配したじゃねえかよ!」 頬に手を当ててみると濡れている…… 俺、泣いてたんだ。 「兄貴……すげぇ嫌な夢でも見てた? 怖い夢見てた?」 心配して康介は見てるけど、俺は凄く幸せな気分で笑顔が溢れた。 康介は俺が卒業してからずっと気にしてくれていた。 不器用だしわかりやすいからイラつきもしたけど、康介なりに凄く心配してくれてたのがわかるから…… 「康介ごめんな、心配かけて。ありがとう……俺、もう大丈夫だから。俺も圭ちゃんも……もう大丈夫」 心の底から素直にそう伝えると、ブワッと顔を赤くして康介はおいおいと泣き出してしまった。 「なんだよバカやろ! 本当に大丈夫なのかよ! 心配かけやがって……あんな泣きながら寝てんのだっておかしいだろ!……無理してね? 本当に大丈夫なの? てか、圭さんもってなんだよ。連絡あったの?……泣いてたのはそのせい?」 矢継ぎ早に話す康介を軽く抱きしめ、もう一度お礼を言う。 「落ち着けって。俺らはもう心配ないから。康介ありがとうな」 「気持ちわりいよ、なんだよ兄貴、離れろよ。でもよかったな……ほんとよかった……もう大丈夫なんだな?」 圭ちゃんから連絡があったわけじゃない。 さっきのは夢だったのかもしれないけど…… きっと圭ちゃんも同じ。 俺の事を思ってくれてるはず。 もう俺は大丈夫! 迷わないで信じて待つよ。 「あ! 雪だ!……ホワイトクリスマスだな! 俺、これから修斗さんとデートだから。っておい、もう離せよ」 すっかり涙も乾いた康介が俺の腕から嫌そうな顔をして離れていく。 クリスマス…… そうか、あの変なオッさん、きっとあれはサンタだったのかもな。 だいぶイメージ違うけど。 そう思って俺は一人思い出して笑った。 ──不思議なXmas 陽介&圭 終わり──

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