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第2話《BOUSのユウ》
「はい!撮影終了。お疲れ様ー」
今日も裏の会社BOUSには、いつもの声が響いていた。
「ありがとうございました」
今日の撮影者は、ユウとルキ。
ルキはユウより年上だが、小柄で可愛い感じの受専門の性優だ。
ユウは撮影助手たちに挨拶して、今日の撮影相手のところに向かう。
「お疲れさまです…あの、上手く、できていましたか?」
少し自信なさげに問うユウ。
ルキはユウに気付いて、柔らかく言葉を返す。
「お疲れさま、うーん。ユウちゃんはどう思う?」
今日の演技について、逆に聞かれるユウ。
「…まだまだだと、思います」
詰まりながら、そう答える。
今日の撮影もやはりNGをたくさん出してしまった。
「まぁ、段々と上手くなっていってるし、僕が教えられることは、ほぼ教えたから、後は早く自分のペースをつかむことだよ」
優しい口調のルキ…
ユウは、これまで3回にわたり、先輩のルキ相手に攻め役の撮影を指導してもらっていたのだ…
それも、今回で終わり。
「……はい」
「僕は受専だから、受け側の勝手しか教えられない。だから、攻めに慣れてる先輩に教えてもらうのも、上手くなるにはいいかもしれないよ?」
ユウの様子を見て、さりげなくアドバイスしてくれるルキ。
「ありがとうございました…」
ユウは、教えて貰ったことも含めてお礼を言う。
「ううん、たいした事は教えてないけど、次は誰と撮影?そろそろ相方のヨシちゃんとかな?」
ルキは何気に聞く…
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