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第7話

公園で、ぽつんと一人、時間の過ぎるのを待っていた… 深夜になれば、あの人も寝てしまうから…。 そんな思いで…。 そこで不意に、声をかけられる。 「ユウ、また…こんな所で、風邪ひくよ?」 「…あ、コウヤさん」 優しく声をかけてくれるのは、性優のコウヤ。 なにかと世話してくれるいい先輩だ。 家が近所で、いつも家に入れないみずきを気にして公園まで来てくれる。 「今日もいるの?」 父親が… 「わからないけど…たぶんいるから…帰りたくない」 居ても明かりを付けない父親、仕事もなく、一日中家に居て酒をのんでいる。 たまにフラッと姿を消すけれど…BOUSで稼いだオレの金を使って、ギャンブルや、変な薬物かなにかを買いに行っているんだ… 俯いて思うみずき… 「…そっか、なら、無理に帰ることないよ」 そうコウヤはみずきに伝える。 「……」 コウヤの優しい言葉に、コクンと頷くみずき。 コウヤは、物腰は穏やかだけど、背は180㎝と高く…茶髪のショートヘアーで、撮影の時は一応攻専門のかなりかっこいい人だ。 「…ここに、こうして座ってると、出会ったころの事、思い出すね」 不意に話し出しながら… ポケットから煙草とライターを出して火をつけているコウヤ。 「…はい」 様子を見ながら頷くみずき… コウヤとは、この公園で出会った。 お互い家に帰りたくない事情があって…この公園で時間を潰していた。 自分が11歳で… コウヤが16歳… そっと…思い出していく…。

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