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第9話

真夜中だった… 物音で目が覚めて…父の部屋を確かめにいくと… そこで… 「…いやッやめて!お父さんッ」 父親に押し倒され…弱々しく抵抗する姉の姿… 「!?…ッ、姉さんッ!何してんだよッ離れろッ!」 小5のみずきには、その行為自体すぐに理解することは出来なかったが… 大好きな姉が父親に泣かされている。 (助けなきゃ!) 今は自分しか姉を守れる人がいないから… みずきは背の高い父に掴みかかり、姉から引き離す… 「姉さん!逃げて、早く!」 乱れた衣服を掴み震えている姉に叫ぶみずき… 「うるさいッ!どけッ!」 父親のナオキは、みずきを振り払い、その勢いのまま… みずきの顔を殴りつける。 「ぅッ!」 「みずきッ!?」 殴られ飛ばされたみずきを見て、姉は声を出す… 「ッ、姉さん、逃げて!」 それでも諦めるわけにはいかない、声をかけるけど… 姉は、みずきを置いて、その場から動けない… また殴られそうになるみずき、とっさに部屋にあった缶ビールをもって、父の顔にぶちまけた… 「早くッ!」 ビールが目に入り、父が怯んだ隙に、姉の手を引っ張って、外へ逃げ出すみずき…。

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