9 / 74
第9話
真夜中だった…
物音で目が覚めて…父の部屋を確かめにいくと…
そこで…
「…いやッやめて!お父さんッ」
父親に押し倒され…弱々しく抵抗する姉の姿…
「!?…ッ、姉さんッ!何してんだよッ離れろッ!」
小5のみずきには、その行為自体すぐに理解することは出来なかったが…
大好きな姉が父親に泣かされている。
(助けなきゃ!)
今は自分しか姉を守れる人がいないから…
みずきは背の高い父に掴みかかり、姉から引き離す…
「姉さん!逃げて、早く!」
乱れた衣服を掴み震えている姉に叫ぶみずき…
「うるさいッ!どけッ!」
父親のナオキは、みずきを振り払い、その勢いのまま…
みずきの顔を殴りつける。
「ぅッ!」
「みずきッ!?」
殴られ飛ばされたみずきを見て、姉は声を出す…
「ッ、姉さん、逃げて!」
それでも諦めるわけにはいかない、声をかけるけど…
姉は、みずきを置いて、その場から動けない…
また殴られそうになるみずき、とっさに部屋にあった缶ビールをもって、父の顔にぶちまけた…
「早くッ!」
ビールが目に入り、父が怯んだ隙に、姉の手を引っ張って、外へ逃げ出すみずき…。
ともだちにシェアしよう!