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男子会・睦月side
「これで良しっと…。はいレオくん、終わったよ!」
レオくんの両腕に包帯を巻き終わった僕は、とりあえず胸を撫で下ろした。これで傷は暫くしたら良くなるだろう。痕も残らないはず。
ん?レオくん苦虫を噛み潰したような顔してるけど…痛いのかな。本当に申し訳ないな…
そして何で茶髪くんは笑いを堪えてるんだろう。あ、レオくんに頭はたかれた。仲良いな。微笑ましく思いながら僕は持ってきた救急箱をぱたんと閉じる。
はあ…それにしてもビックリした。
昨日道を聞いたちょっと変わった男の子(鷹くんというらしい)が、レオくんとお友達だったなんて。世間は狭い…(鷹くんに「昨日のツツモタセさんすよね!?」って言われたけどツツモタセさんって誰だろう?僕に似てる人かな?)
僕は何故か急に押し込まれたレオくん家をこっそり見回す。まさかレオくんの部屋にもお邪魔させて貰えるなんてっ…感激だ!!
レオくんの部屋は、男の子にしてはすっきり片付いている。あまり物を置かない主義なのかな?テーブルとソファ、テレビに本棚とクローゼット、それにベッド…必要最低限のものしかない印象だ。
テーブルでは鷹くんが「じゃ初対面よろって事で、男子会しましょー」とお菓子やお酒を並べている…
お酒!!???
僕は思わず三度見する。確かにお酒だ。「そ、それ…」と指で差し示すと鷹くんは「へ?」と首を傾げる。『へ?』って…そんな曇りのない眼で…
僕が困惑していると「…おい鷹」とレオくんが口を挟む。
「酒 はどっかやっとけ。金はやるから三人分のジュース買ってこい。俺はコーヒーな」
レオくんの言葉に今度は鷹くんが困惑しつつも言う通りにして出ていく。
ポケッとしていた僕は『そっか!』と合点がいった。
ジュースとお酒を間違えちゃったんだ鷹くん!も~!このおっちょこちょいさんめ!
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