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男子会・礼於side
どうしてこうなった。
コーヒーを飲みながら考えると、割と自業自得だったという結論に行き当たる。
こいつらまとめてアパートから叩き出せば良かったな(一人は住人だが)。俺の部屋で、何度目かの乾杯をする鷹とミナセを眺めつつ反省する。酒呑んでもねえのにテンションたけぇ。
…しかしこいつら仲良いな。めっちゃ盛り上がってんじゃねえか。昨日偶然道を聞いただけの関係らしいが。
…ん?
なんだ?なんかモヤモヤすんな…何でだ?
「あ、そっす!レオさん!沢渡 さんの話聞きました!?」
自分の心情を分析しようとしていた所に、いきなり鷹から声を掛けられる。「あ?沢渡?」と顔をしかめた。
沢渡はここら一帯を縄張りにしてるチームのアタマだ。極道の息子で、目的の為には手段を選ばねえ性格らしいが詳しくは知らねえ。「沢渡さん、噂じゃレオさんをチームに引き入れたいっつってるらしいすよ!さすがレオさんスゲェっす!」と鷹が尊敬の眼差しで前のめりになる。
めんどくせえ。俺はチッと舌を打つ。チームとかウゼェんだよ。「性に合わねえ」と吐き捨てると「一匹狼のレオさんになら噛まれてもいいっす!」と鷹は意味不明な返しをした。
ん。
「…何だ?」
目を輝かせてこっちを見つめるミナセに振る。
するとミナセは「凄いねレオくん!お友達たくさんいるんだね!何のスポーツチームに入るの?」とふわふわ笑った。
コイツには説明しても全く分かんねえ話だろうな…
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