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第9話
「お前、ずっと俺の事を見ていただろ?」
いきなり眞司にそう聞かれ、僕は頭に血がカッと上った。
(気付かれていたんだ…!!)
眞司はいつも皆に見詰められ、仲間に囲まれていたから…僕なんかの視線には気付いていないと思っていた…。
(…どうしよう…いつも見ていたって…ストーカーとか、思われたかも…)
血の気が引き、オロオロとしてしまう。
「俺の事、好きなんだ?」
僕は頷く事も、否定する事もできずに固まったまま。
頭は真っ白、飽和状態。
目の前が涙で滲む。
涙が零れ落ちないように大きく目を見開き、唇を噛み締める。
眞司に気付かれないように。
-と…不意に。
眞司の手が伸びて来て僕の顎を掴み、顔を上へ向けられ…眞司の顔が近付いて-。
僕の唇に眞司の唇が重なり、吃驚して開いた口から眞司の舌がスルリと入ってきた。
(???????????)
僕の頭の中はクエスチョンマークだらけ。
今、自分が何をされているのか…全然、理解できなかった。
眞司はそんな様子の僕の制服のズボンに手を伸ばし、チャックを下ろす。
-眞司に口付けをされて頭の中が真っ白になっていた僕は、その事に気付く事はなく-。
眞司の舌が僕の舌に絡まり、優しく吸い上げる。
初めての口付け…それも眞司からの…に、僕は、うっとりとなってしまう。
キスに夢中になっていた僕は、だから気付かなかった。
眞司の手が僕のズボンの中に入っている事に。
-気が付いた時にはもう既に、僕のペニスは眞司の手の中に-。
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