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第1話

絶対に泣かせたいカテキョ(高校生)と絶対に泣かない高校生(ヤンキー?)の 『大丈夫』 … 「っざけんじゃねぇ!今まで俺を放ったらかしといてカテキョだぁ?」 「だから就けるんじゃないの」 「今更過ぎんだよ!なんだ?もう一生これから母親らしいこともしないからか?俺を捨てるのか?」 それはそれでこっちも好都合だ。 もう二度と大嫌いなツラを見なくて済む 「……。」 部屋は自分の声で一気に静まり返った。 「図星で言葉も出ないのか?もういい、勝手にしろ」 俺は呆れて真っ暗な部屋へ行きベッドに埋れる ふざけるな。今まで勝手にしてきたくせに今回もまた勝手に決めやがった 俺の気持ちも知らないで そんなことを思っていると目の奥がだんだんと熱くなってきた … 「っ…」 気づいたら俺は寝てしまっていた。しかも泣きながら ベッドのシーツを見れば一目散で分かる それを見れば見るほど自分は弱虫で一人では生きていけないと数分前の自分の思いを否定しているようだった。 また目尻がじわじわ熱くなってくる。 コンコン ドアがノックされると反射的に両目を服の袖で拭うってしまう きっと泣き虫がバレたくないからだ 「誰…。」 ドアを開けようとした途端ドアノブは自分の手から遠のき そこにはさっき数分前見た陰気な姿があった。 確か、『アカサカ ショータ』 とか言う奴 ちゃんと覚えてた。俺偉い 「何だよ…お前には関係ないことだろ。カテキョなんていいからさっさとどっか行けy…」 俺が言い終える前に「ドンッ」と言う音がして気づいたら壁と背合わせになっていた 少しだけびびってしまった… いわゆる壁ドンってやつか? 「何してんだよ。」 「はじめましょ?」 「始めるってナニを、」 「勉強です」 は、なんだこいつ さっき言ったこと聞こえてなかったのかよ すると朱坂がはっとした様に俺の目を見て優しく指で目元を撫で、一瞬にしてやつの体温と匂いに包まれた 変な気持ち。 初対面のくせに、家族でもましてや恋人でもないのに、 何だよ、なんなんだよ…コイツ。 訳もわからない状況なのに不思議な安心感のようなもので今まで自分を縛っていた硬く丈夫な不要な鎖(プライド)が解けたみたいで涙が頬を通じて床を濡らした。 今の俺顔も心もぐちゃぐちゃでチョーださいだろうな 自分でも止められない 「あなたは偉いです。よくここまで頑張りました」 「えらいえらい」 朱坂は頭を一生懸命優しく撫でてくる。 何だか朱坂の撫でる手が気持ちい 「ごめんなさい。」 一瞬唇に柔らかい感触と朱坂が謝る声が聞こえた気がしたが意識が朦朧としてそれかどうかがわからなかった。 気付くと俺はまた眠りに落ちていた。 … あれは何だったんだろう。と思いながら 薄らと目を開けると一気に射し込んできた電灯の光が眩しい。 「あ、起きたんですね」 この声、 「…朱坂翔太。」 「はい。朱坂です」と二度目、俺に微笑んだ 俺はそいつの姿を確認しベッドから起き上がり腰掛けた。 そしてやつに目を向け問いかける 「なんで、」 「はい?」 「何で俺のことを構うんだよ。」 「分かりません。けど、あなたのことはほっとけない」 朱坂の紅く光る眼がちらりと見えて男の俺でも少しドキッとした。 って少女漫画みたいなことほんとにあるんだな 「それに…」 急に黙ったと思ったら少し頬を赤らめた朱坂は自分の唇を指した けれど俺にはさっぱりで「は?」としか言いようがなかった 「やっぱりわかんなかったんですね…」 と言いしゅんとする。 俺はなんだか罪悪感が湧いてしまった 「あぁ、何か…悪い。」 「大丈夫です…!そんなに大したことじゃないので」 「…そうか」 「えっと、朱坂翔太」 「翔太でいいですよ」 「ぇ、……じゃあしょーた。」 「はい!」 "しょーた"と呼んでやったらやつは一気に明るい表情変わった 顔がほぼ隠れていても分かる。とゆーかわかりやすい 「とりあえず今日は帰れ」 「え、でも今日は何もやってない……」 「いいんだ。」 「…わかりました」 翔太はあっさりと承知して「さようなら、また」と言い残し部屋を出ていった 俺は窓の外を見て翔太の帰って行く姿を見送った。 「また、か」 次なんて無いと思ってる。思ってた。

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