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バイバイー5
挨拶をする声と同時に、後ろから伸びてきた手が僕の肩に回ってきた。
また、コイツは………朝から無駄にイケメン顔をキラキラさせやがって………。
「…あ…私、先に行くね」
「…え?…あ、おい、寧音!!」
僕の呼び止める声を振り切り、寧音は校舎の方ヘ走り去って行った。
「………お前な~」
僕は思いきりソイツ-僕の肩に腕を回しニヤニヤと笑っている治夫を睨んだが、治夫は相変わらずヘラヘラと笑っているだけ。
「……もしかして、お邪魔だったかな~?」
「……見て分からなかったか?思いっ切り邪魔だったよ」
「ハハ……悪い悪い」
………全然、悪いと思ってないな、こんちくしょう
「でも、その調子だと……さては上手くいったな?」
治夫が僕の耳許で囁く。
「………は?」
…………何の事だ?
「またまた~、とぼけちゃって…キスくらいはしたんだろ~?」
「………ああっ!!そうだ!」
思い出した!!
「…うわっ!耳許で叫ぶなよ。吃驚しただろ」
「ふざけんな。お前のせいで僕は寧音に………。」
大事なところを蹴られたんだからな!!
「…まあまあ、落ち着けって……でも、その様子だと上手くいったみたいでよかったよ」
僕は治夫に抗議をしようと口を開いたが………その言葉を遮るように治夫が話してきて止めた。
よく考えたら、キスしようとして失敗して大事なところを蹴られたなんて言ったら、治夫の事だ…絶対、面白がるに決まってる。
「………ああ!おかげさまで!!」
だったらこのまま上手くいったと思わせておこう。
「いや~、俺は別に何にもしてないけど………」
………当たり前だ!!
嫌味だよ!!
気付けよ!!
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