25 / 144
遠くの夕焼けに初恋、消えたー3
シャワーを浴びながら、僕は教室で見た光景を思い出す。
キス、していた。
治夫と寧々。
二人は付き合っていたのか。
いつから?
全然、知らなかった。
二人ともそんな気配、少しも見せなかったし。
気付かなかった。
治夫もそんな雰囲気、少しも見せずに僕と普通に接していたなんて。
信じられない。
そんな治夫を親友だと思っていた僕も。
馬鹿みたいだ。
「………う……っ…」
僕はシャワーを浴びながら、声を殺して泣いた。
いつまでも。
-この日、僕の初恋は終わった。
ともだちにシェアしよう!