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遠くの夕焼けに初恋、消えたー6

その時から治夫は確かに、以前みたいには僕の前に現れなくなった。 確かに、現れなくなった。 が!! 僕から距離を置いた場所で治夫の姿を見るようになった。 登校する時、教室にいる休み時間、廊下を歩いている時、昼休みに食堂で昼食を食べている時、下校する時、休日に遊びに出かけた日、誰かの視線を感じて辺りを見回すと必ず遠くに治夫が居て、僕を見詰めている。 偶然なんかじゃない事はわかっている。 おまけに今までみたいに言葉をかけてくるでもなく、ただ僕を見詰めているだけ。 何だってんだ、全く…!! っていうか。 お前は、僕のストーカーかっ!! 何度、文句を言ってやろうかと思った事か。 しかし、僕の方もはっきりと寧音に別れを告げていない事もあり、治夫に文句を言って反対に早く寧音と別れろと言い返されるのも嫌で、文句を言えないでいる。 ………そう。 あの時は勢いで治夫に寧音と別れるとは言ったけど、まだ言えずにいる。 女々しい男なんだ、僕は。 だって、初めての彼女だったんだ。

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