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遠くの夕焼けに初恋、消えたー7
美人で、頭が良い高嶺の花である寧音から好きだと告白された時は夢かと思った。
もう、絶対、これで一生分の幸運は使い果たしたと思うくらい嬉しかった。
絶対、大事にすると…そう誓って。
まぁ、寧音を家に連れ込んで不埒な事をしようとしたことはあるけど…。
でも、それは反省して…。
ハッ!!
そういえば、僕にあれをアドバイスしたのは治夫だった。
もしかして、あの頃から治夫は寧音を好きだったのか?
くっそ~。
治夫の奴、モテるんだから何もよりによって寧音を好きにならなくても…。
そりゃ僕は治夫ほど格好良くもないし、治夫ほど頭も良くない、オマケに治夫ほどスポーツも得意じゃないし、治夫ほど背も高くないから当然、足だって長くない………。
……………………。
あ。
なんか、落ち込んできたぞ。
だいたい、治夫と比べる事が間違っているんだ!!
でも。
そうだよな。
治夫と寧音が付き合っていると分かった今、寧音とは別れないといけないよな。
………寧音の為にも……俺の為にも。
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