43 / 144
恋と嘘と現実とー2
そこで僕はハタ、と気付く。
寧音は治夫が好きなんだ。
その寧音にとって僕は恋敵になるって事だ。
…今頃、気付くなんてっ!!
そうか。
だから僕を呼び出して、あんな事を言ったのか…。
そりゃ、僕が憎いよな。
でも、僕は寧音を嫌いになれない。
それどころか、嫉妬して僕に噛み付くなんて可愛いなとか思ってしまう。
やっぱり寧音の事は嫌いになれない。
(大事な事なので2度、繰り返してしまった)
かといって、治夫と友人を止めるつもりもない。
治夫とは幼馴染みで、昔から一緒だったし…今更、治夫と離れるなんて考えれない。
それに治夫は友人としてはいいヤツだしな…。
………僕に迫らなければ……。
でも最近は治夫に迫られても、前ほど嫌じゃない。
……………馴れたのかな……。
って…馴れたら駄目じゃん!!
「…だから、さっきから何、してんだよ?」
…どわっ!!
吃驚して体を後ろに引いた僕は重力に従い、座っていた椅子と共に後ろに倒れてしまった。
ドターンッ!!
凄い音がして、教室中の視線が僕に集中する。
ともだちにシェアしよう!