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恋と嘘と現実とー3

「大丈夫か?…まったく、何してんだよ」 呆れたような顔をして、治夫は僕に手を差し出してきた。 顔を上げたらドアップで治夫の顔があって、吃驚したんだよっ!! いくら見慣れているとはいえ、その綺麗な顔を間近で見るとドキッとするじゃないか。 …まだ、ドキドキしている。 「…大丈夫。サンキュ」 僕は紅くなった顔を見られないように、俯いて差し出された治夫の手を取り立ち上がる。 このドキドキは吃驚したからで…決して治夫にトキメイタからじゃないからなっ!! 僕は自分自身に言い聞かせる。 …ちょっと待て。 言い聞かせるって、おかしくないか? ていうか…。 大体、言い聞かせないといけないような事か? それに何だよ、“トキメイタからじゃないからなっ!!”て…。 …あ~…最近の僕はおかしい。 …それもこれも全て治夫のせいだ。 治夫が悪い。 「…何、俺の顔に見惚れちゃった?」 …治夫に振り回されてばかりだ。 僕の顔を覗き込んで、悪戯っぽく笑う治夫を見て溜め息を吐いた。

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