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恋と嘘と現実とー11

驚くだろうか。 喜ぶだろうか。 早く会いたい。 会って、治夫の顔を見たい。 声を聞きたい。 僕は治夫の面会謝絶が解けて会える日を、心待ちにしていた。 ずっと、待っていた。 治夫が目覚めた時に、その場に居る事ができないのは残念だけど、目覚めて面会謝絶が解けたら、一番初めに僕に連絡をくれる。 そう、信じて。 だけど、いつまでたっても治夫からの連絡はなかった。 初めの内は毎日、見舞いに行っていたが…その度におばさんに申し訳なさそうに面会謝絶だと言われるばかりで…。 面会謝絶が解けたら連絡すると言われて…そう言われると僕もそれ以上、見舞いに行く事もできず…。 治夫から連絡が来るのを信じて待つしかなかった。 ……………………………………………………。 …………………………。 ……………。 「…え…面会できるようになってたの?いつ?」 そして既に面会謝絶が解けていた事を、僕は母親から聞かされた。 「…一週間前に連絡があったんだけど、隼人には少しの間、黙っておいた方がいいと思って…」 「どうして?」 治夫の面会謝絶が解ける日を…治夫に会える日を僕がどれほど心待にしていたか知っていた筈なのに……。

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