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恋と嘘と現実とー17
-それからどこをどう歩いたのか………。
(………ここ……)
気が付くと、いつの間にか学校の校門前に来ていた。
放課後の校舎からは合唱部の練習している歌声や、校庭からは運動部の声援などが聞こえている。
(………そうか……)
そういえば治夫との思い出って、学校しかないんだよな。
校舎を眺めながら思い出す。
幼い頃はお互いの家を行き来していたらしいが、憶えていないし…小学校に上がった頃から家はおろか、外で会った事もない。
他の友人とは、外で遊んだ事は何度もあるのに。
「…一度くらい遊んでおけばよかったな」
こんな事になると知っていたなら。
僕はひとつ溜め息を吐くと、とぼとぼと家路についた。
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